高い視聴率=ポジティブな評価ではない
それでは、これからのテレビ業界にはどのような報道姿勢が求められるのだろうか。
影山教授は、「事実関係がはっきりしていることをできるだけ客観的に伝えること」が一番重要だと述べる。
さらに、日本のニュース番組やワイドショーでは、コメンテーターやタレントが番組を通して出演し、扱うニュースに関して専門性がなくてもコメントをすることが多いが、影山教授はこうした番組構成は先進国では少ないと説明。なぜなら、専門的な知識がないと単なる感想や推測にならざるを得ないからで、「そのジャンルに特化した人が解説し、ニュースが変われば違う人が出てくるというのが、あるべき姿だと思います」と見解を示した。
また、センセーショナルな報道や有名なコメンテーターのコメントは視聴率が取れるかもしれないが、視聴者からの「ポジティブな評価」にはならないという。
「(番組が)やっているからついついリモコンを持つ手は止まるけれども、(視聴者が)これをいいと思っているかというと、そうではないです。視聴者は賢いですからね」
と述べ、「高い数字=評価・支持というのは早合点ですよ、というのは申し上げたいところです」とした。