ブームで興味を持ったライト層の減少
こうしたサウナブームの実態をとらえる、ひとつのデータがある。
2017年より日本におけるサウナ・温冷浴の実態調査を行っている一般社団法人日本サウナ・温冷浴総合研究所(日本サウナ総研)による、「日本のサウナ実態レポート2025~サウナブーム、コロナ禍を経た利用実態に迫る~」だ。
2025年1月、全国1万人を対象にインターネット調査によってとられたデータによれば、そもそも新型コロナウイルス感染症の流行前の2020年度以前から、流行後の2021年度以降で推定1000万人ほど利用者を減らしており、その数値は2024年度にいたるまで戻っていないことがわかる。
サウナ総研はその理由を、先に挙げた時間予約制や個室型サウナなども含めた、コロナによる生活様式の変化が考えられる、としている。
また、「月4回以上」利用するヘビーユーザーを「ヘビーサウナー」、以下「月1回~3回」の利用者を「ミドルサウナー」、「年1回から2~3か月に1回」の利用者を「ライトサウナー」と称してその推移を調査。
ミドル以上の一定の愛好者層はコロナ後でも利用頻度は微減となっており、ブームで興味を持ったライト層の減少が多いことがわかっている。
さらに利用頻度が減少した理由も調査されており、ヘビー・ミドル層においては、付帯施設の機能が変わってしまったのが大きな要因で、施設の利用費や混雑度合いといった影響は薄いとされている。