エンジンが主体でモーターはアシスト役のパラレル式
これに対して、日産のe-powerはエンジンを発電専用に使い、モーターだけで駆動する。エンジンの力は直接、タイヤには伝わらない。これはシリーズハイブリッドと呼ばれる。
これに対して、エンジンで発電しながらバッテリーに充電、モーターを駆動するが、エンジンでも走行する通常のハイブリッドはパラレルハイブリッドと呼ばれる。
この区分だと、マイルドハイブリッドもストロングハイブリッドもパラレル式となるが、マイルドハイブリッドをパラレル方式、ストロングハイブリッドをスプリット方式と呼ぶこともある。パラレル方式はエンジンが主体で、モーターはアシスト役に徹するという意味だ。
スプリット方式はエンジンとモーターを使い分けることを意味するが、エンジンで発電しながらモーターだけで走ることができることから、シリーズ・パラレル方式とも呼ばれる。
このあたりは、ちょっと話がややこしい。SUBARU(スバル)は自社のストロングハイブリッドを「状況に応じて動力源であるエンジンとモーターを効率よく使い分けるシリーズ・パラレル方式」と説明している。
ハイブリッドは大きくシリーズ方式とパラレル方式の二つに区分されるはずだ。このため筆者はスバルのエンジニアに「ストロングハイブリッドはパラレル方式であって、シリーズ・パラレル方式という表現は矛盾していないか」と質問したことがある。
スバルのエンジニアは「エンジンで発電しながら、エンジンだけでなくモーターでも走るので、シリーズ・パラレル方式のストロングハイブリッドだ」と解説したが、筆者にはわかりにくかった。ハイブリッドの定義には、いろいろあるのが現状だ。
ハイブリッドには大きくシリーズ方式とパラレル方式があり、パラレル方式にマイルドとストロングがあると考えるべきだと思う。バッテリーに外部から充電できるプラグインハイブリッドもパラレル方式のストロングに含まれる。そう考えるのがユーザーには最もわかりやすいのではないか。
(ジャーナリスト 岩城諒)