「キレる高齢者」は脳機能が低下している 50代以上に多いカスハラ加害者、 社会から孤立しストレス暴発

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   また、「キレる老人」の実態を考察した著作『暴走老人!』(2007年)がある作家の藤原智美さんが、「キレる」理由の第一に挙げたのが「言語力の老化」だ。新聞社の取材に対し、藤原さんは「人は体だけでなく思考や会話する力も老化する。定年などで引退した男性は夫婦2人暮らしか、単身生活者が多い。会話が格段に減り、言語力が衰えるため、地域などで新たに人間関係を築けない」と指摘し、「孤立し自暴自棄になった中高年の男性が、積年のストレスを電車などで暴発させてしまうのでは」と見方を示した。

   老人ホーム検索サイト「みんなの介護」も特集「怒りやすい高齢者 原因と対応方法」で、高齢者が怒りやすい背景に「孤独感や不安」を挙げた。対応策として(1)人間関係を広げる(会社以外で友人をつくる機会を増やす)(2)家族が主体的に関わる(話をすることで気持ちが落ち着く)(3)丁寧に傾聴する(「意見を尊重する」姿勢を心がける。同じ話を繰り返す、言葉を間違えても、否定したり怒ったりせずに、傾聴する)――が重要と説く。

   孤立しがちなシニア世代を家庭や地域など、社会全体が、いかに受け入れていくかが、カスハラを減らす大きなカギとなる。

(フリーライター 倉井建太)

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