せんべい・みそ......コメ不足の影で高騰する食品
たとえば、おやつの定番・せんべいは、加工用米の減少に伴い原料価格が上昇し、製造者がコスト高に苦しんでいる。
多くの米菓を展開する岩塚製菓では、人件費・資材費・エネルギー費などの高騰に加え、原料費も上がったことで、この4月に一部製品の価格改定を発表した。
帝国データバンクの調べでは、2024年のせんべい(100g)小売価格は平均149円と過去10年で最高値を記録。この4年ほどで2割超上昇していることがわかっている。
また、近年米国で大ブームを呼んでいる日本酒業界でも、厳しい状況が続いている。
かつて日本酒に使用する酒米は、品質管理に手間やコストがかかることから、主食用米より高値で取引されてきた。しかしこのコメ不足により主食用米の価格が上がったことで、農家が主食用米への作付け転換を図る動きが見られ、酒米の確保が難しくなってきている。一部の蔵元では生産量の見直しも迫られているという。
日本食に欠かせない調味料である「みそ」も、米麹を原材料とする。テレビCMなどでもおなじみのマルコメでは、「現状の価格では供給に支障をきたす状況」となったとして、この4月から値上げを行っている。