スポーツカーというと独身の若者が乗るイメージが強いかもしれないが、子どもが成人して独立し、夫婦二人になったシニアこそ、スポーツカーがふさわしいともいえる。
スポーツカーとは、単なる移動手段ではなく、運転やスタイル、雰囲気を楽しむためのクルマだ。実用品というよりも嗜好品に近い。多くは2シーターか2プラス2だ。2プラス2とは合法的に4人乗れるが、フロントシートが中心で、リヤシートは無理すれば大人も乗れるというものだ。
低くて安定したコーナリングがたまらない
昨今は世界的にSUVが全盛だが、SUVは重心と最低地上高が高い。キャンプやスキーでラフロードや雪道を走るのは得意だが、スポーツカーのように低く安定したコーナリングは望めない。
運転を楽しむための嗜好品としてスポーツカーをとらえるなら、お薦めはFF(フロントエンジン・フロントドライブ=前輪駆動)よりも、FR(フロントエンジン・リヤドライブ=後輪駆動)かAWD(オールホイールドライブ=全輪駆動)だろう。アクセルワークで後輪をコントロールできるFRやAWDの方がスポーツドライビングに向いており、運転して楽しいからだ。
SUV全盛の昨今は「スポーツカー冬の時代」などと言われるが、日本は世界的に見てもスポーツカーやスポーツセダンが少なからず存在し、新車で買える恵まれた国だ。少数派となったマニュアルミッションを選択できるのも、クルマ好きにはありがたい。