「ゼロでもダメではないが、問題解決に動かす力が必要」
今井氏は、現在はプロレスラーとして活躍する長男に聴覚障害があり、福祉に関心を持って、NHK「みんなの手話」の司会も務めた。今回、手話施策推進法の成立に向けて動いているのは、そんな経緯があるようだ。
一方、生稲氏は、11年に乳がんと診断され、闘病を続けてきた経験がある。闘病中でも働きやすい環境について、16年に政府の「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)の民間議員となって発言したことが政治家になるきっかけとされており、選挙中などもそうした経験を訴えていた。
議員立法はゼロといっても、2人は、政治家としての資質があるのだろうか。
政治評論家の有馬晴海さんは5月22日、議員立法の有無について、取材にこう話した。
「議員立法は、問題意識があることの現れですが、それがないからといって、ダメということではありません。与党議員としては、党内での議論に加わるなどした結果、政府提出で法案が成立するのが普通の流れになります。議員立法の場合は、法律になってしまうので、時代に合ったいい案でないといけません。野党では、廃案になる可能性が高いので、議員提案の本数があれば、それだけ活動しているという資質になっています」
ただ、今井氏や生稲氏が福祉・医療活動などに動いているとしても、それだけでは政治家の資質があるとは言えないと有馬さんは指摘する。
「こうした施策を訴えると、政治をやっているように見えますが、福祉などは、もうすでに政府が整備していることも多いですね。政治家の資質としては、問題が発生したときに、その渦中で解決に向けて動かす力が大事になります」
内閣府政務官などは、2期目になれば、順番で回ってくることが多いという。1期目でも、外務政務官は普通の人事だとした。
「仕事は、官僚がやりますので、女性だから選ばれたのだと思います。本当なら、トランプ政権などとチャンネルを作って、海外との交渉をガンガンやらないといけないわけです。2人は、タレント議員の知名度がありますので、政府代表として会合などで喜んでもらうのに都合がいいということでしょう。次の参院選でも、司会などとして使い回されることになると思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)