大阪・関西万博のスイスパビリオンが、日本の「ダジャレ」に着想を得た家具を取り入れているとして「大阪人のツボをわかってる」などとXで楽しまれている。どのような経緯で採用されたのか、販売会社に背景を取材した。「ダジャレの立体化だ!」Xで大好評万博スイス館は「ハイジと共に、テクノロジーの頂へ」をキャッチフレーズに、シャボン玉のような建物で展示を行っている。最上階のレストラン「ハイジカフェ」ではスイスワインや、チーズを使った料理などを提供する。話題になったのは、店を訪れたXユーザー・くろしよ帝(@DD_kuroshio_kai)さんによる2025年5月25日の投稿だ。実際の写真で、カタカナの「ス」に奥行きを持たせた形の赤いインテリアを紹介しながら、「『ス』の何かが置いてあるねん。これひょっとして椅子...スの椅子...スのイス... 『 スイス 』」と気づきを伝えた。投稿は10万件超の「いいね」を集め、Xでは「ダジャレの立体化だ!」「好きすぎるwww」「大阪人のツボをわかってるスイスの人」「これを大の大人達が真剣に考えて作って設置したとこまで全部かわいい...」「ちょっと万博行きたくなってきた」などと面白がられている。中には、コンテンツ制作会社・人間(大阪市)が企画販売する木製椅子──その名も「スイス」(2011年発売、税別15万円)ではないかといった指摘も出た。同社は「面白くて変なことを考えている」をモットーに掲げ、万博会場のビジュアルデザインにも関わっている。「弊社社員からだめもとで...」人間・広報担当者は28日、J-CASTニュースの取材に、スイス館に同社の椅子が設置されているのは事実だとした上で、経緯を詳しく説明した。採用されたきっかけは、山根シボル代表取締役が編集長を務めるフリーペーパー「万博世代」でスイス館ディレクターにインタビューする機会があったと振り返りながら、「弊社社員からだめもとで『スイスを置いてくれませんか?』とお話ししたところ、快く承諾してくださいました」とエピソードを明かす。Xの反響は「本当に嬉しかったです」と喜び、「スイス関連施設に設置するという目標が達成できて、スイスの方に認めてもらえた気がしました。まさかこんなダジャレ商品が、パビリオン内の重要な場所に設置されるとは思わず、驚いています」とも受け止めている。商品化の苦労も「綺麗なフォルムと丁寧な塗装に注目」元々の発売経緯は「そのまんま『スで椅子をつくればスイスじゃないか!』とひらめき、どうしてもこのダジャレを世の中に伝えたくなり制作しました」と説明している。その後に「スイス関連施設に設置したい」との思いが生まれていたという。商品化にあたっては苦労も。「カタカナの『ス』という形状は実際に作るとなると難易度が高く、さまざまなところに相談した結果、唯一引き受けてくれたのがルーツファクトリーさん(編注:大阪の家具工房)でした」という。制作のこだわりを下記のようにも伝えている。「スイスは手作業による木工制作のため、とても時間がかかります。構造が複雑だったり、塗装も何重にも施され、想像以上の手間がかかっているのですが、今回の展示にあたって、改めて顔が映るほど美しい塗装を施していただきました。ぜひ、綺麗なフォルムと丁寧な塗装に注目してもらえたら嬉しいです」
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