海外で高まる人気、トンガでは必須科目
しかし、中学受験が終わったら、ほとんどの子どもはタブレット端末になって、そろばんはやめてしまうだろうし、いまどき街の商店だってそろばんは使わない。「播州そろばん」で知られ、生産日本一の兵庫県では、1960(昭和35)年には年間360万丁が作られていたが、今では15万丁にまで減った。
では、そろばんはまもなく消えてしまうのか。 日本とは逆に、海外ではそろばんへの関心が高まっている。国際珠算普及基金によると、インド、中国、オーストラリア、アメリカ、イギリスなど100以上の国・地域でそろばんの指導が行われていて、南太平洋のトンガの公立小学校ではそろばんは必修科目だ。10進法の学習にそろばんはもってこいらしい。
日本では小学校の3年生と4年生でそろばんの授業があるけれど、2~3時間程度。しかし、そろばんは論理的な思考を処理する左脳ではなく、感覚的な思考を処理する右脳を使う。計算能力だけでなく情緒も豊かになるという。なるほど、認知症予防にも効果があるのではないかな。
(シニアエディター 関口一喜)