筋肉量が落ちるサルコペニア肥満に注意
実は、シニアの肥満で特に注意したいのが見た目は普通、もしくは少し太り気味ながら、実際には筋肉量が著しく落ちている「サルコペニア肥満」である。老人ホーム検索サイト「みんなの介護」は、サルコペニア肥満に関して(1)転倒や骨折のリスクが高まる(2)日常生活動作が困難になりやすい(3)要介護状態になるリスクが増加する――などの危険性を挙げて警鐘を鳴らす。
予防・改善策として、体重の減少だけを目指すのではなく、筋肉量の維持・増加に向けた「適切な運動と栄養摂取の両方が重要」と指摘する。鎌田さんも自著などで「ウオーキングやスクワットなどで筋肉を動かし、たんぱく質をしっかりとる」を推奨し、シニアからも始められる、筋肉を蓄える「貯筋」活動を提唱するのだ。
シニアになったら、フレイル予防や健康維持の観点から最優先に取り組むべきは筋肉量の維持・増加である。筋肉量が増えれば、基礎代謝機能が高まり、自ずと適正体重の道が見えてくる。
(フリーライター 倉井建太)