「6速マニュアルでなくCVTなのは物足りない」の声も
いま話題のスバルのS210は、熱烈なファンが多いスバルのコンプリートカーゆえに、賛否両論がある。S210はスバルのSシリーズで初のCVT搭載車だ。スバルは最新の高性能CVTを「スバルパフォーマンストランスミッション」と呼んでいる。
ネットでは「従来の6速マニュアルでなく、CVTなのは物足りない」「これまでと比べてチューニングパーツが少ない」など、不満の声が挙がっている。筆者も、その点は理解できる。
S210はエンジンやトランスミッションなど細部にまで手が加えられている。その中で、筆者はネットや他のメディアではあまり取り上げられていない「スバルパフォーマンストランスミッションフルードクーラー」について指摘しておきたい。
CVTはサーキットはもちろん、箱根(神奈川、静岡県)や六甲(兵庫県)のようなワインディングロードを連続して全開で走った場合、CVTフルード(オイル)の温度が上昇する。するとパドルシフトでシフトダウンができず、アクセルペダルを踏んでもエンジン回転が上がらない「セーフモード」に入ることがある。こうなると、CVTフルードの温度が下がるまで、スポーツ走行はおぼつかなくなる。
これはスバルのCVTに限ったことではないが、従来の6速マニュアルトランスミッションではあり得ない現象だ。自動車専門誌の中には、これまでスバルのCVTがスポーツ走行に適さない現実を指摘するものもあった。
このため、スバルはCVTフルードを冷やすオイルクーラー(スバルパフォーマンストランスミッションフルードクーラー)を開発し、レヴォーグやWRX S4などの限定モデルに搭載してきた。