プロ野球ロッテ、中日でプレーした野球解説者の愛甲猛氏(62)が、2025年5月30日に公開されたユーチューブ動画「デーブ大久保チャンネル」にゲスト出演し、ヤクルト村上宗隆内野手(25)の大リーグ挑戦について見通しを解説した。「村上にはしなりを感じない」村上は今オフにもポスティングシステムを利用して大リーグに挑戦する見通しで、米メディアによると、複数の球団が熱視線を送っているという。大リーグ挑戦を控えた今シーズンは、3月中旬に上半身を痛めた影響で、開幕2軍スタートとなった。4月17日に1軍に昇格すると、同日に神宮球場で行われた阪神戦に「4番・ライト」でスタメン出場を果たした。この日は第4打席にヒットを記録したものの、翌日18日に出場選手登録を抹消され、現在は2軍で調整している。愛甲氏は、MCを務めた野球解説者のデーブ大久保氏(58)から「(村上は)打席だけを考えてメジャーリーグで通用しますか?」と問われると、次のように答えた。「通用する、しないのニュートラルラインが、どの数字なのかにもよる。平均的な数字がどの部分なのか。例えば、2割5分、20本(本塁打)でいいというのならば、むこうでやれると思う。『日本と同じくらいの活躍ができるのか?』といったら難しいかなと思う」そして、大リーグで活躍するロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(30)の打撃と、村上の打撃を比較しながら、両者の相違に言及した。「時代が変わってきたというのもあるし、いろいろな技術も変わってきたから一概には言えないが、大谷と村上のバッティングの違いはどこかと言えば、大谷は肩関節や肩甲骨の可動域がすごくあり、柔らかい。村上にはしなりを感じない。長いもの(バット)を持ってやるから、釣り竿と一緒で、しなりは飛距離につながる。村上はすごいバッターだが、バットのしなりを感じない。メジャーのバッターはしなりがすごい。そこが懸念な部分」「プロの目として、やっぱりちょっと現状は厳しい」さらに、村上が大リーグで本塁打を求められた場合の懸念点を指摘した。「村上はバットが軽すぎてそうなっているのか分からないが、体を含めた上でしなりを感じない。(ヤクルトの)山田(哲人)は、しなりを感じる。向こうでホームランを数多く打たなければならないとなると、反対方向にもホームランを打たなくてはならない。そうなると、反対方向(に打つ)には、しなりが必要。それを考えたときに、ちょっとクエスチョン。数字を残せないわけではないが」愛甲氏は、5年前に大リーグに挑戦し、現在DeNAでプレーする筒香嘉智選手(33)の名を挙げ、村上と重ね合わせた。「(村上が)筒香とかぶる。筒香も日本で40何本もホームランを打って、ホームラン王になったりとか、一時期すごかった。それでメジャーに行ったときにすごい苦労をした。飛ばそう、飛ばそうとして試行錯誤していったらバッティングが狂った。村上に関しては、それが懸念材料。絶対DH(指名打者)だという確定があればいいが、守らなければいけない。想像以上だと思う」筒香は、村上と同じく左の長距離砲で、19年オフにポスティングシステムを利用してDeNAからタンパベイ・レイズに移籍した。DeNA時代の16年には44本塁打を記録し、本塁打王に輝いたが、大リーグでは結果を残せず、24年4月に古巣DeNAに復帰した。愛甲氏は最後に「もし、(大リーグに)行ったとしたら絶対的に活躍してほしいと思う」と期待を寄せる一方で、「ただ、プロの目として、どう感じるのかといったら、やっぱりちょっと現状は厳しい」とした。
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