FIFAワールドカップ26アジア最終予選・第9節が2025年6月5日に開催され、サッカー日本代表はオーストラリア代表と対戦した。マインツの佐野海舟選手(24)がスタメン出場したのだが、SNSでは、佐野の復帰に対する賛否の声が上がっている。佐野を巡っては、24年7月に不同意性交容疑で逮捕され、のちに不起訴処分となったと報じられている。佐野を日本代表に復帰させたことを批判する声は多く、オンライン署名サイトでは「撤回」を求める動きもある。この動きを日本サッカー協会(JFA)はどう受け止めるのか。「自分に出来ることを考えて社会に貢献し続けたい」複数の報道によれば、佐野ら男性3人が24年7月に不同意性交容疑で逮捕。東京都のホテルで女性に性的暴行を加えた疑いがあった。その後、東京地検は24年8月、3人を不起訴処分にした。佐野は25年5月28日の記者会見で、この件について謝罪。「自分の行動によって、たくさんの方々にご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ございませんでした」とし、次のように語った。「自分に出来ることを考えながら、サッカー面は、プレー・行動・言動というもので自分が出せるものを出し続けていきたいと思いますし、プレー以外でも自分に出来ることを考えて社会に貢献し続けたいなと思っています」この会見に先立つ5月23日、JFAはアジア最終予選2試合に臨む日本代表メンバーを公式サイトなどで発表。その1人として佐野が選出されていた。佐野が復帰することについて、SNSでは賛否の声が上がっている。「日本の国際評価を下げていると思う」「倫理的に間違ってる」「選出した森保一監督とJFAの責任は重たい」などの声が上がったほか、オンライン署名サイト「Change.org」でも、「撤回」を求める呼びかけがある。一方、「そもそも不起訴になってるんですよ?」「佐野海舟は不起訴だからセーフ」「JFAが問題ないと判断して招集した」などと擁護する声もある。「様々なご意見をいただいていることを承知」J-CASTニュースは、(1)佐野を日本代表に復帰させた理由は何か(2)復帰に対する批判や賛成をどのように受けているか(3)SNSの批判を受けて何か対応する予定はあるか――の3点をJFAにメールで質問した。JFA広報グループは5日、「佐野選手に関して様々なご意見をいただいていることを承知しております」とした上で、同協会の考え方は、JFAの山本昌邦ナショナルチームダイレクターが5月23日の会見で説明した通りだと説明した。復帰を決めた理由は次の3つだ。(1)相手の方に謝罪し話し合いをしたことを確認していること(2)本人が深く反省していること(3)不起訴処分という判断が検察によってなされており、刑事事件としては罪に問われずに終了していることまた、山本氏は記者会見で次のようにも発言。これが現時点での協会の考え方だとしている。「これまでも繰り返しお伝えしている通り、JFAのスタンスは、サッカー界としてあらゆる差別や暴力、ハラスメントを一切許容しないということです。引き続き、あらゆる差別や暴力、ハラスメントに対して厳正な姿勢で臨み、一切の妥協も許さない『ゼロ・トレランス』を目指します。選手や指導者、審判などの関係者に対して啓発活動を行うとともに、コンプライアンス教育にもより一層の力を注いでいくことをあらためてお伝えさせていただきます」
記事に戻る