2025年デビューする新車のうち、クルマ好きが注目する一台は、間違いなくホンダの新型プレリュードだろう。ネットやメディアでは、早くも「新型プレリュードは注文が殺到し、納車まで何年も待たされるのではないか」などという予想が飛び交っている。
徳大寺有恒氏はハンドリングを絶賛した
ホンダプレリュードは1978年に初代がデビュー。当時、FFのスペシャリティーカーは珍しかった。自動車評論家の故・徳大寺有恒氏は初代プレリュードのハンドリングを「FFの癖がない」と絶賛した。初代プレリュードは当時のFFに顕著だったアンダーステアが少なく、ホンダらしいスポーティーで進歩的なハンドリングだった。
プレリュードは87年発売の3代目がデートカーとも呼ばれ、日産シルビアと人気を二分した。当時、2ドアクーペのスペシャリティーカーとしては、格上のトヨタソアラや日産レパードがあったが、プレリュードは実力と人気の両面でソアラなど上級車を凌駕していた。
そんなプレリュードは80年代から90年代にかけ、ホンダを代表する進歩的な人気車だった。しかし、その後のミニバンやSUVの台頭で、2ドアクーペの市場は世界的に縮小していった。プレリュードも2001年、5代目で販売を終了した。
現在、2ドアクーペはスポーツカーが大半で、トヨタGR86とスバルBRZ、日産フェアレディZ、マツダロードスター、ダイハツコペンくらいになった。そこへホンダが「2ドアクーペ復権」をかけて投入するのが新型プレリュードというわけだ。