2団体王座統一の中谷潤人、井上尚弥との差はどこまで縮まる?識者分析「西田凌佑戦は参考にならない」

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   プロボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T、27)が2025年6月8日、東京・有明アリーナでIBF同級王者・西田凌佑(六島、28)と2団体王座統一戦を行い、6回TKOで下し王座統一に成功した。

  • 2団体統一王者・中谷(トップランク社インスタグラムより)
    2団体統一王者・中谷(トップランク社インスタグラムより)
  • TKO負けした西田選手(トップランク社インスタグラムより)
    TKO負けした西田選手(トップランク社インスタグラムより)
  • 試合を観戦した井上(トップランク社インスタグラムより)
    試合を観戦した井上(トップランク社インスタグラムより)
  • 2団体統一王者・中谷(トップランク社インスタグラムより)
  • TKO負けした西田選手(トップランク社インスタグラムより)
  • 試合を観戦した井上(トップランク社インスタグラムより)

「西田戦は井上戦を見据えてのものではない」

   試合は、中谷が序盤から積極的に仕掛け、主導権を握った。左クロス、左右アッパーで西田に襲い掛かった。対する西田も果敢に応戦し、スリリングな展開となった。

   激しい打ち合いとなる中、しだいに西田の右目が腫れだし、6回終了時点で右目が完全にふさがった。このような状況の中、西田は右肩を脱臼したため、陣営が棄権を決断。6回TKOで中谷が2団体王座を統一した。

   中谷は試合後、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、32)との対戦を改めて熱望。両者は、早ければ26年5月にも対戦する計画だ。階級をひとつ上げて井上に挑む中谷は、1年後、どこまで井上に近付くことができるのか。

   J-CASTニュースは、過去に多数の世界王者を育て上げてきたTMKジムの金平桂一郎会長(59)に話を聞いた。

   金平会長は、西田戦について「井上戦を見据えてのものではなく、西田選手にしっかり勝とうという気持ちが強かった。多少、強引とも思えるような打ち合いに持っていった。このスタイルを選択することによって、西田選手のボクシングのうまさを封じ込めようとする作戦だったと思います」と振り返り、次のように語った。

   「あの戦いぶりを見て、井上戦で同じような戦いをするかといえば、それは違う。恐らく、あのようなパワーファイトを井上戦でやったら、井上選手に有利に働く。なので、西田戦は井上戦の参考にはならない」

   中谷は今後、井上戦を見据えた上でのマッチメイクとなる。スポーツ紙の報道によると、階級をスーパーバンタム級に上げ、同級世界ランカーと対戦する可能性が高いという。

「今の段階でいうと、井上選手に一日の長」

   金平会長は「今後、両者が対戦するまでに、どれだけの差が縮まるか」と切り出し、こう続けた。

   「西田戦では、改めて中谷選手のボクシングの幅の広さを見せつけた。ただ、爆発力ということを考えると、井上選手に分があることが見えた試合でもあった。井上選手がバンタム級だった時代、西田選手と対戦したら、もっと早く粉砕していたと思います。今の段階でいうと、井上選手に一日の長があるでしょう」

   そして、井上が中谷戦に向けて、スケジュールを変更したことを指摘し、両者の「差」について持論を展開した。

   「メディアの報道によると、井上陣営は作戦を切り替えた。以前は、年末に一時的にフェザー級に転向するとのことでしたが、来年に中谷選手と対戦してから階級をフェザー級に上げるようです。体に負担がないような方針に切り替えた。中谷選手をしっかり捕まえるということに頭が行っている。このような方針転換を考えると、やはり井上選手だと感じます」

   井上は9月14日にWBA世界スーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、30)との対戦を予定している。

   当初、アフマダリエフに勝利すれば、年末にWBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国、28)に挑戦する計画だったが、身体的な負担を考慮し、転級は中谷戦後になるという。

   このような状況を踏まえ、金平会長は「中谷選手が来年までにどのようなプランを持っているか。井上戦を見据えて誰と対戦するか。現状、中谷選手の実力からいえば、井上選手が遠のいたという感じもないが、近付いたという感じでもない」と分析した。

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