イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使は2025年6月19日、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事が14日にXでナチス・ドイツとイスラエルを同一視する投稿を行っていたとして強く批判した。その後、薛氏の書き込みは削除された。
ナチスとイスラエルを並列で比較
発端となったのは、薛氏が14日夜に投稿した1枚の画像だ。
イスラエルとイランの軍事衝突が続く中、シンボルマークである「かぎ十字(ハーケンクロイツ)」部分にぼかしをかけたナチス・ドイツの旗と、イスラエル国旗とを並べ、両者を比較する内容だった。
ナチス側には「ユダヤ人を虐殺」「アメリカは敵国」、イスラエル側には「ユダヤ人が虐殺」「アメリカはATM」と対比。さらに両者の共通点として、「我々は特別で神聖な民族である」「国力の多くを軍隊に投入」「国際法は無視するもの」「占領した土地に入植を進める」と列挙した。
薛氏は、中国の攻撃的な外交スタイル「戦狼外交」の代表例として知られている。
過去にもSNSで過激な主張を繰り返しており、21年には台湾問題に関連して、「台湾独立=戦争。はっきり言っておく! 中国には妥協の余地ゼロ!!!」と投稿。これに対し、松原仁衆院議員が国会で「言語道断である。このような恫喝は、断じて許されるものではない」などと批判した経緯がある。