小泉旋風は化けの皮はがれたが...
さて、参院選ではどうなるか。
これまでの過去の傾向をみれば、直近の東京都議選は直後の国政選挙にかなり連動している。もっとも政治の一寸先は闇なので、一つの失言で大きく変わりうることもあるのは言うまでもない。
小泉旋風は、マスコミが作り上げたので、有権者には化けの皮が剥がれているとみる。最近の小泉農水相のSNSをみると、食事をしながら電話するという、いかにもサラリーマンの「働いてます」感があり、「あざとい」投稿が目立つ。高級車の中で牛丼を食べる投稿も非難が多い。昨年の自民党総裁選の時の失態の記憶も呼び起こされているようだ。
しかし、小泉旋風がそれほどでないとしても、参院選では、都議選の都ファのように、自公の落ちを拾う政党がない。都議選で大健闘した参政党らがどこまで受け皿になるのか、不透明だ。
小泉旋風はそれほどでもないとなると、参院選では、自公は苦しい戦いになるが大敗はない、という微妙な結果か、国民民主や参政党などが伸びるのか、二択かもしれない。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。