コスパ、タイパの次は「スペパ」に注目 隙間を活用して生活を豊かに、その具体例

子どもがいる家庭の関心が強い生活空間の有効活用

   続いて登場した言葉「スペパ」は、どれほど認知されているのだろう。

   2025年4月に、アウトドア商品などのブランド「パイクスピーク」の運営会社が一般消費者109人にたずねた調査で、「スペパ」を知っている割合は20.2%だった。また、トランクルームの「キュラーズ」社が2024年7月に東京都在住の既婚者379人から回答を得た調査では、「スペパという言葉は知っていたし、それを意識して生活している」と答えた割合は、子どもがいる家庭で28.7%、子どもがいない家庭で9.8%と3倍の開きがあった。

   背景としては、新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが身近になり、生活空間への意識が高まったことが指摘されている。さらに、東京をはじめとする都市部の不動産の高騰がある。以前と同じ価格で手に入る住宅はずいぶん狭くなった。また、必要最小限のものだけでシンプルに暮らすライフスタイル「ミニマリズム」が改めて意識されていることも素地になっているという。

   効率化がすべてではないが、「スペパ」は単なる「省スペース」にとどまらず、より賢く心豊かに暮らす明日へのヒントとして使われていくのかもしれない。

(ジャーナリスト 橋本聡)

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