都議選で「裏金議員」を追加公認した自民党 無所属で当選したらみそぎ済んだ?参院選でも繰り返すのか

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   2025年6月22日に投開票が行われた東京都議選での自民党の対応が、裏金問題に対する「燃料再投下」となってしまったようだ。不祥事を起こした議員が、ほとぼりが冷めた頃を狙って党へ復帰する実態が明るみとなり、7月の参院選を前に再び自民党への逆風は強まっている。

  • 7月の参院選を前に再び自民党への逆風が(写真は国会議事堂)
    7月の参院選を前に再び自民党への逆風が(写真は国会議事堂)
  • 杉田水脈氏(写真:つのだよしお/アフロ)
    杉田水脈氏(写真:つのだよしお/アフロ)
  • 7月の参院選を前に再び自民党への逆風が(写真は国会議事堂)
  • 杉田水脈氏(写真:つのだよしお/アフロ)

「銀座3兄弟」も離党→当選→復党

   非難を浴びているのは、自民党の「追加公認」という対応だ。

   都議選で自民党は、改選前の30議席から18議席へ大幅に減らすことになったが、無所属で当選した3人を追加公認することで、21議席に増やした。この3人のうち2人は、自民党の裏金問題に関与した影響で無所属として出馬。当選して「みそぎ」が済んだので党に復帰させたという理屈のようだ。

   都議選後に、この「追加公認」が報道されると、SNSでは怒りの声が噴出。「無所属のフリさせて、当選したら追加公認っておかしくね?」「ステルス自民党議員」「有権者舐めてる」「無所属詐欺」などのコメントで大荒れとなった。

   しかし、同様の例は過去にも繰り返されていた。コロナ禍で緊急事態宣言の真っ只中だった2021年1月、自民党の衆院議員だった松本純氏、大塚高司氏、田野瀬太道氏の3人が銀座のクラブで深夜まで飲食していたことが判明。「銀座3兄弟」と揶揄され、党からの勧告を受けて離党することになった。

   同年10月の衆院選で松本氏は落選し、大塚氏は不出馬だったが、田野瀬氏は無所属で当選。すると、すぐに追加公認で自民党に復帰した。残りの2人も、2年余りの間に復党を果たしていた。

衆院選は不出馬→参院選に党公認の裏金議員も

   裏金問題を巡る処分も、既に形骸化し始めている。2024年10月の衆院選では、自民党は裏金問題に関与した46人に対しては非公認、または公認されても比例重複立候補を認めない措置を取った。

   アイヌ民族や在日コリアンへの差別的言動を繰り返していたことでも知られる杉田水脈氏も、この影響で衆院選は不出馬に。だが、それからわずか1年足らずで、今夏の参院選では自民党公認で比例区から出馬することが決まっている。

   他にも参院選には、元五輪相の橋本聖子氏ら裏金問題に関与した議員が自民党公認で出馬する。これらの動きに対し、立憲民主党の小沢一郎衆院議員は自身のX(旧Twitter)で「今回の参院選で自民党は大勢の裏金議員を公認。『国民はもう裏金なんて忘れてるよ』と言わんばかり。国民は馬鹿にされている」と激しく非難した。

   忘れた頃に不祥事を起こした議員を復帰させるやり方は、果たして通用するのか。都議選で顕在化したことで、その余波が参院選にどこまで及ぶのか注目だ。

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