新潟日報による報道をきっかけに、新潟県長岡市で開催される「長岡まつり大花火大会」をめぐるオーバーツーリズムや来場客のモラル低下などの問題が注目を集めている。
「長岡空襲の犠牲者の追悼や、平和への願いといった原点の部分が薄まりかねない」
長岡まつりは、毎年8月1日から3日にかけて長岡市内で開催される祭だ。1945年8月1日に起こった長岡空襲からの復興を願い、翌年に行われた「長岡復興祭」が前身とされる。初日の「慰霊の花火」では、長岡空襲の始まった8月1日22時30分にあわせて花火が打ち上げられる。
2日目・3日目の「大花火大会」は、日本三大花火大会として知られる。花火大会の日程に合わせて観光ツアーが組まれるなど、日本全国から多くの客が訪れる。
そうした中、新潟日報は7月3日、「『誰のための長岡花火か?』路上駐車、チケット転売...相次ぐトラブルに、主催者が"来訪を呼び掛けない"異例のPR」と題した記事を公開。大花火大会をめぐるさまざまな課題を取り上げた。
近年、路上駐車やチケットの高額転売といったモラルに反する問題が増加傾向にあり、「長岡空襲の犠牲者の追悼や、平和への願いといった原点の部分が薄まりかねない」との懸念があるという。
25年度制作のポスターには「花火のない空」が写る
主催する長岡花火財団は25年度、「みんなで守る長岡花火」「年に一度のこの時を、楽しみにしている人がいる」と記したポスターを制作。花火のない空を見上げる人々の後ろ姿を写したデザインで、花火大会の意義を改めて考えてほしいと訴えた。
全席抽選制の有料観覧席となっているが、観光客の増加に伴い、会場で見られない市民も増え、不満の種となっているという。前年度にはチケットのない人には来訪を控えるように呼びかけたが、例年以上の車の路上駐車が発生し、トラブルの報告もあった。
25年度は大花火大会が開催される8月2日・3日が土日にあたることから、さらなる混雑や混乱の可能性も指摘されており、主催者は対応を迫られている。
「花火大会を商業イベントとして扱うことが限界点に来ている」
報道を受け、SNSでは「誰のための長岡花火」がXトレンド入り。
「最近の大きな花火大会は有料が増えて、庶民には見に行くいイベントと化してしまった。花火大会を商業イベントとして扱うことが限界点に来ている」「気持ちはわかる 長岡市が多額の税金を出しているのに、その長岡市民が普通に見れないというジレンマ お金を払ってでも見る価値はあるけどモヤモヤ」など、共感の声が相次いだ。
ジョルダン株式会社の「乗換案内NEXT」の公式アカウントはこの記事を引用し、「正直な話、当サイト花火大会特集の掲載数は年々減少しています。『掲載拒否』でお断りをいただくことが本当に増えました」と実感を明かしている。
正直な話、当サイト花火大会特集の掲載数は年々減少しています。「掲載拒否」でお断りをいただくことが本当に増えました。
— 乗換案内NEXT (@norikae_next) July 3, 2025
「誰のための長岡花火か?」路上駐車、チケット転売…相次ぐトラブルに、主催者が"来訪を呼び掛けない"異例のPR(新潟日報)#Yahooニュースhttps://t.co/qGl1iiGswT