奈良や和歌山の郷土料理・柿の葉寿司。塩で締めたサバなどの寿司を柿の葉に包んだもので、通常は柿の葉を取って中身の寿司のみを食べるものだが、Xではそれを知らずに「柿の葉ごと」食べてしまったとの体験談が投稿され、注目を集めた。
一般的には食べない柿の葉だが、食べても問題がないものなのだろうか。大正10年(1921年)創業の奈良の老舗・「柿の葉寿司のゐざさ中谷本舗」に聞いた。
柿の葉は「基本的にはお召し上がりいただかないもの」
Xでは投稿に、葉は食べないことを知らなかった人がいたことに驚く声や、自身や知人も同じことをしたとの体験談などが寄せられ、2025年6月27日に「柿の葉寿司」が一時トレンド入りした。
中谷本舗広報担当の中谷圭佑常務取締役は2日、J-CASTニュースの取材に、この投稿について「弊社でも確認をしております」とした。
寿司を包む柿の葉について、「基本的にはお召し上がりいただかないものになります」としたうえで、「ただし、葉っぱに関しても検査を実施しており、食べても人体に影響はない(害はない)ものになります」とした。
中谷常務は、柿の葉寿司について、「奈良・吉野地方の郷土料理で、山深い山村で住んでいた私たちの先人が、貴重だった鯖を美味しく食べようと考え出した『保存食』です」と説明。柿の葉で寿司を包むことで、「シャリやネタの乾燥を防ぎ、携行もしやすいことなどがあったと思われます」という。そのうえで、
「そのような歴史的背景も踏まえて、ぜひ葉っぱをむいてお召し上がりいただけますと幸いです」
と伝えた。
正しい食べ方は?おすすめの食べ方も
「正しい」食べ方について尋ねると、中谷常務は「葉をむいて、手で食べていただく」とし、「バナナの皮をむくように食べるのがポイントです」と教えてくれた。なお、同社の商品には醤油が付くものもあるが、「基本的にはお醤油は付けずにお召し上がりいただくことを推奨しております」としている。
また、「柿の葉で包んだまま、オーブントースターなどで焼いて、少し焦げ目がついた段階で、葉っぱをむいてお召し上がりいただく方法」もおすすめだという。同社の公式サイトでは、「230度5分程度」を目安としている。