大阪市此花区の夢洲で「大阪・関西万博」が始まって早くも2か月経ち、会場への救急出動(出場)が「多すぎ」とする声がXで拡散されている。2025年5月中はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の「10倍」だったとも噂されているが、その実態を大阪市消防局に取材した。市内の救急体制ひっ迫も「生じていない」実際、万博会場への救急車の出場率は高まっているのだろうか。大阪市消防局は7月4日、J-CASTニュースの取材に応じ、「現時点において、万博会場への救急出場件数が顕著に多いという事実は確認されておりません。また、万博開幕後、市内の救急体制ひっ迫は生じていない状況です」と答えた。5月中における市内への救急出場件数は、速報値として2万237件、うち万博会場内が147件、USJ(発生場所:此花区桜島2丁目1番)が25件だという。万博会場内で救急要請される主な理由については、めまい、意識障害、下痢、咳・痰、胸痛、倦怠感・脱力感、呼吸困難・呼吸不全、腰痛、創傷、頭痛、動悸、背部痛、発熱、腹痛、嘔吐・嘔気、痙攣と列挙した。つまり万博会場への出場数はUSJの約6倍だが、市全体に比べると1%に満たないことが分かる。万博公式サイトを参照すると5月の来場者数は計400万1612人のため、今のところ、混雑の割には救急への負担を抑えられているといえそうだ。夏に向けて需要高まる?「熱中症予防へのご配慮を」とはいえ油断は禁物。救急車ひっ迫を防ぐために万博来場者が注意すべき点として、市消防局は下記のように呼びかけている。「気温が上がってきている中、会場内はとても広く、屋外での移動も多くなることが予想されますので、通気性の良い服装や帽子、日傘等で直射日光を避ける工夫や、こまめな水分補給を心掛けるなど、熱中症予防へのご配慮をお願いします」また、「これから夏季に向けて救急需要が高まることが予想されますので、当局といたしましても、必要な対策を講じ、市民の皆様に安全・安心を提供できるよう、引き続き努めてまいります」ともコメントした。
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