対処法は「流水で冷やす」 専門医への受診も重要
万が一、子どもがマンホールの蓋などに触れてしまった場合、保護者がすべき応急処置について中野院長は次のようにアドバイスする。
「まず、すぐに子どもを助け起こし、流水で患部を冷やしてください。広範囲であったり、接触時間が長かったりした場合は、できるだけ早く熱傷を専門に診ることのできる医師の診察を受けることをお勧めします。熱傷治療は専門性が高く、一般の皮膚科医や外科医では十分な知識や経験がない場合もあります」
また、子どもは皮膚が薄いだけでなく、「幼少児は素早く反応できず、接触時間が長くなるリスクもあります」と警鐘を鳴らす。
夏のヤケドを未然に防ぐためには、「リスクの高い場所では目を離さないことが重要です。また、肌の露出が多いとリスクが上がるため、UVカット機能のある風通しの良い長袖の着用なども有効かと存じます」と助言した。
さらに中野院長は、「ヤケドを専門に診る医師は非常に少ないのが現状です」と明かし、万が一の際には迅速に専門医を受診することの重要性を改めて強調した。
「現在では、お風呂の給湯器やIHコンロなど、安全性が向上したことで、熱傷の患者数は以前と比べて大幅に減少しています。しかし、ヤケドは依然として危険な外傷です。特に広範囲に及ぶ場合は、できるだけ早く専門の医師に診てもらうことをお勧めします」