「1000円の壁」崩壊目前のラーメン業界、それでも倒産続出はなぜ? 苦しむのは高級でも低価格でもない「中間層」

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ラーメンに対する客の意識を変える必要がある

   井手氏は、物価高騰によるラーメン店の倒産が続くことで、「このままではラーメン界の成長が止まってしまうのではないか」と懸念を示す。本来ならば美味しい料理を提供できるはずなのに、原材料費などのコストカットによって妥協せざるを得なくなる。

   こうした状況に対し、ラーメンに対する客側の認識を変える必要性があるとも訴える。

「たとえば、すし業界では、高級ずし屋と町のすし屋があって、回転ずし店もある。これらの店を客は目的によって使い分けていると思います。ラーメン業界においても、普段から食べるラーメンとご馳走で食べるラーメンを使い分ける意識が必要です」

   ラーメンの価格が1000円に近づくことで「食べられない」と嘆く人も多いという。だが井手氏は、「価格の上限は上がっていきますが、低価格帯のラーメンも残り続けます」と予測する。そして、次のようにラーメン業界の今後について述べた。

「(ラーメン店が)何もできずに倒産するという時代から変わってきている。生き残るためのさまざまな戦略が出てきています。ラーメンの味も成長し、幅広い価格帯のラーメンを目的別に選んで食べていくという客の意識も成長していき、この両方で回っていけば、改善する余地はあります」
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