プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、32)に挑戦するムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、30)が、打倒・井上に自信をみせた。わずか8戦目で2団体統一王者に米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」が2025年7月30日、アフマダリエフのインタビュー記事を公開。9月14日に名古屋で井上に挑戦するアフマダリエフは「井上尚弥はモンスターだとは思わない」などと語った。アフマダリエフはアマチュア経験が豊富なサウスポーで、16年リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得した。18年3月にプロデビューすると、わずか8戦目でWBA・IBF世界スーパーバンタム級王座を獲得した。同王座を3度防衛した後、23年4月にマーロン・タパレス(フィリピン、33)に1-2の判定で敗れ無冠となった。9か月後に復帰し、24年12月の復帰第2戦でWBA世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得し、念願の井上戦にこぎつけた。アフマダリエフの挑戦を受ける井上は、「モンスター」の愛称で知られる世界的王者だ。世界4階級を制覇し、バンタム級に続いてスーパーバンタム級でも主要4団体の王座統一に成功した。戦績は、アフマダリエフの14勝(11KO)1敗に対して、30勝(27KO)無敗と、ほぼ完ぺきなレコードだ。「リングは決して嘘をつかない」元2団体統一王者のアフマダリエフを「最強挑戦者」と評するメディアもあり、井上はアフマダリエフ戦について会見で「判定決着でもいい」とKO宣言を封じ込めたという。これまでアフマダリエフは、井上を挑発し続け、必死に対戦をアピールしてきた。打倒・井上に向け、揺るぎない自信を持っているようで、「ボクシングシーン」の取材に対して、次のように語ったという。「ボクシング界にモンスターはいない。私は自分をモンスターだとは決して思わない。井上尚弥はモンスターだとは思わない。私たちは皆人間であり、皆、パフォーマンスをするためにここにいるアスリートだ。リングに上がれば誰が勝者で、誰がウズベキスタンの実力者かがわかる。リングは決して嘘をつかない」また、今回はアウェーでの戦いを強いられるが、この点においても自信をみせた。「プロとしてのキャリアを振り返ってみると、国内で試合をしたのはたった一度だけだ。メキシコ、ニューヨーク、プエルトリコ、中国と渡り歩き、アメリカで多くのアメリカ人ファイターと戦ってきた。私にとって、遠征は大した問題じゃない。偉大なファイターはそういうことをする。チャンピオンのホームに赴き、チャンピオンの座を奪うんだ」「モンスター」を相手に元2団体統一王者の意地を見せるか。それとも、これまでの挑戦者同様に「モンスター」の餌食になるのか。注目の試合は9月14日にゴングが鳴る。
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