週刊少年ジャンプを発行する集英社公認の漫画グッズ店「ジャンプショップ」で、若い男性客同士がつかみ合いをする様子を撮った動画がXで投稿され、関心を集めている。全国16店の同ショップで開催中の「ジャンプヒーロー夏祭り」で販売された新商品などを巡るトラブルらしい。各店でレジ前に行列ができた模様で、入場制限する店が続出したが、何があったのだろうか。店員がトラブルの対応に追われ、警察も駆け付ける混雑する店のレジ前で、白いTシャツを着てリュックを前に抱えた若い男性客が怒った様子で、別の男性客へ手を出しに行く。すると、周囲の女性客から悲鳴が上がり、手を出された黒いシャツ姿でリュックを背負った別の男性客も向かって行こうとした。客は、みなオレンジ色のカゴを持っており、黒シャツの男性客は、もみ合いで、その中身を床に落とした。白シャツの男性客に突っかかろうとして他の客に制止されるが、「オー!オー!」と男性客の大声が聞こえる。「止めろ!」「止めなさいよ」周囲の女性客らが声を上げ、「店長に聞けば?」と誰かが提案するところで、動画が終わっている。この動画は、客の1人として店を訪れた「ハチヤ」さん(@zDVHdl1GiNqlcpw)が2025年8月1日にXで投稿し、インフルエンサーに取り上げられて、拡散した。ハチヤさんは、リプライの質問に応じて、仙台市内のジャンプショップ仙台店でのトラブルだと明かした。「忘却バッテリー」「サカモトデイズ」といった人気漫画のグッズが販売され、中国人同士でケンカ状態になり、店内で暴れて備品のカゴを破損させたという。店内には、中国人客の姿が多く、店のスタッフがトラブルの対応に追われていたともした。この騒ぎで、警察も現場に駆け付けたという。全国のジャンプショップでは、動画が投稿された1日から24日までの期間、恒例のイベント「ジャンプヒーロー夏祭り」が始まった。1日は、グッズの新商品などが目当てのファンらが多数来て、入場制限する店が続出し、人気商品は売れ切れも出た模様だ。警察「店から被害届が出ていないので、捜査していない」イベント開催に当たって、ジャンプショップ仙台店では、事前入店申込制にして、公式サイト上などで注意を呼びかけていた。イベントでは、「転売目的でのご購入はお断りさせていただきます」としている。今回のトラブルについて、動画を投稿したハチヤさんは8月4日、J-CASTニュースの取材に応じ、店がオープンした直後の1日10時5分ごろに20~30代ぐらいの中国人の男性客同士で起きたと説明した。店は、JR仙台駅前にあるファッションビル「仙台パルコ」の8階にあり、男性客らは、7階でエレベーターを降り、乗り直したエスカレーターをダッシュで上がって目の前にある店へ駆け込んだという。グッズ争奪戦に慣れている様子で、7階で降りたのは、エレベーターを足止めする目的があったのではないかとした。男性客2人が持ったカゴには、忘却バッテリーやサカモトデイズのランダム商品が大量に入っていたといい、それらの新商品を巡って取り合いがあったという。怒号が飛び交い、つかみ合い、殴り合いになったため、憤りを感じて動画を撮ったと明かした。この騒ぎで、仙台パルコの警備員が来たほか、10分もしないうちに警察官3人も駆け付けた。オレンジ色のカゴ1つが壊され、2人は店内の棚にもぶつかっていた。2人は、警察に同行を求められることなどはなく、その後も、何回も列に並んでグッズを購入していたという。このトラブルについて、仙台パルコの担当者は4日、取材に対し、1日の午前中に店内で起きた客同士の口論が発展して、警察が出動したと状況を説明した。トラブルは、店と警察で話を取りまとめて終了したという。トラブルの原因や被害状況などについては、分からないとしている。宮城県警の仙台中央署は4日、1日10時ごろの開店前後に、店内でトラブルが起きているといった内容の110番通報があり、警察官が出動したと取材に答えた。「店からは、被害届が出ていませんので、捜査はしていません。事件として取り扱っていませんので、トラブルの原因などについては、お答えできません」ジャンプショップ仙台店の店長は4日、取材に対し、1日に客同士のトラブルが起きたのは事実だと認めたうえで、「本社に確認したところ、取材はNGとさせていただくとのことでした。詳細については、お答えすることはできません」と答えた。この店を運営するベネリック(東京都千代田区)に対しても、J-CASTニュースが取材を申し込んでいる。(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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