「能動的にその記憶というものを継承する努力、深めていかねば」
石破氏は式典後の記者会見で、「本日の感想と言いますか、感想という言葉は軽くていけないのですが......それは最後に引用いたしましたあの歌に全て尽くされていると私は思っております」として、この歌を引用した意図について語った。
「『そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり』というのは、その光景というものを想起しただけで本当にどれほど悲惨なことであり、どれほどの悲しい思い、辛い思いがそこにあったか、ということであります」
時間とともに記憶が風化するのは避け難いことだとしつつ、「能動的にその記憶というものを継承する努力というものは、さらに深めていかねばならない、強めていかねばならない」と訴えた。
林芳正官房長官も同日の会見で、「石破総理は被爆80年が経過し、実際に戦争や被爆を経験された方も減る中にあり、戦争の悲惨さ、原子爆弾の被害の過酷さ。これを決して風化させることなく、記憶として継承していかなければならない。そういった強い思いをあいさつに込められた」とその意図を説明している。
教師と子どもたちの無念をたどる一首に託された追悼の言葉。80年という節目を迎えた今回の式典では、被爆の「風景」を想起させ改めて「継承」の意味を問いかけるものとなった。
SNSでは、「涙が止まらない。石破さんが総理として自らの言葉で編んだもの。当たり前とは言え、感動しました 」「手放しで称賛する気はないけれど、それでもやはり国のトップが『太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり』という短い文字列を読んで、その悲嘆、絶望、哀惜を感じ取れる人でよかったと思う 」といった声があがっている。