高額の商品を次々に盗み、一部をフリマで転売か
今回の万引きについて、コンビニ店の関係者は8月7日、J-CASTニュースの取材に対し、広島県外を含めて少なくとも7店が被害に遭っていたと警察から聞いたと明かした。
被害に遭った県内のコンビニ店3店のうち1店では2月、5600円分のポケモンカードが万引きされていたという。防犯カメラをチェックしたところ、カップルは、1人が他の商品代をレジで支払い、その横でもう1人が人間の壁を作って、レジ横にあったカード1箱を盗んだ。そして、その箱を子どもに渡し、子どもがそのまま外に出て、カップルの車に乗り込んでいた。この車やナンバーもカメラにはっきり映っていたという。店では、被害に気付いて、翌日に警察へ被害届を出した。
他の2店でも、カップルが抱き合いながら、その間に置いた袋にぬいぐるみ(3000円相当)を入れたり、転売に使えそうな本の付録(1万4000円相当)を持ち出したりして、各店で盗んでいたという。この2店でも、警察に被害届を出している。
3店とは別の店でも、この「万引き家族」が現れ、化粧品などが大量に盗まれ、数万円の被害が出たとしている。
万引きの動機については、生活の貧困から、子どもにおもちゃなどを与えるためだったと警察に話したといい、盗んだ商品の一部は、フリマで販売したという。カップルが捕まった後、子どもは、うち1人の親元に預けられたという。
広島地検から8月5日に届いた通知によると、懲役2年、執行猶予4年の判決だった。カップルは、控訴せずに判決が確定したとみられる。万引きとしては重い判決だと感じたというが、執行猶予が付いたのは、被害に遭った各店と示談して商品代のみ弁済したからでないかと推測している。ただ、発覚していない店はもっとあるはずだと警察は見ていたという。
なお、被害者への通知について、広島地検の広報官は7日、一般論として、被害者から希望があったり、検察官が妥当だと判断したりすれば、制度に基づいて、判決結果などを送付していると取材に説明した。
通知では、判決の日時や量刑などの内容を伝えている。ただ、判決理由には触れず、判決文を送ることもないという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)