プロ野球ロッテの元投手で経営学者の小林至氏(57)が、2025年8月7日にユーチューブを更新し、高校野球・甲子園大会の収益の仕組みなどについて解説した。
「春夏合わせた年間計上収益が16億1000万円」
高校野球の甲子園大会は、春と夏にそれぞれ兵庫県・甲子園球場で開催される。
春は選抜高等学校野球大会、夏は全国高等学校野球選手権大会として行われる。選抜大会は、日本高等学校野球連盟(高野連)、毎日新聞社が主催し、朝日新聞社が後援している。
夏の選手権大会は、高野連と朝日新聞社が主催し、毎日新聞社が後援。25年の第107回全国高等学校野球選手権大会は、8月5日に幕を開け、熱戦が繰り広げられている。
野球人気が高い日本で、甲子園大会は注目度が高く、強豪校同士による人気カードになると、観客席の大半が埋まるケースも。果たして、チケット収入など、大会の収益はどのような仕組みになっているのか。
東京大学野球部出身で、元プロ野球選手の小林氏は、「【夏の高校野球】いくら稼いでる?」などのタイトルで動画を公開した。
小林氏は、スタッフから「(甲子園大会の)収益はどれくらいあるのか?」と問われると、「日本高等学校野球連盟(高野連)は財団法人で、すべての収益、売り上げは公開されている。ホームページにいくと、誰でも見ることできます」とし、次のように解説した。
「春夏合わせた年間計上収益が、16億1000万円。夏の大会は9億円前後。夏の大会が収益の大半を占めている。2024年度では、(夏の大会の)入場料収入が9億147万円。春の選抜(大会)が、例年5億円前後。両方で14億円がチケット収入。計上収益のうち、ほとんどがチケット収入。チケット収入に次いで、ロイヤルティ。記念品販売が、1億3000万円。ペナントとか、キーホルダーとか。協力金が6300万円。これは(テレビ中継する)朝日放送、毎日放送。事実上の放送権かな」
「NHKには無料で提供している」
そして、「視聴者数は延べで、(春夏合わせて)5億人ぐらい見ているはず」と推測し、甲子園大会の「価値」を独自分析した。
「延べ5億人が見るコンテンツは、本気でお金にすれば、1000億円規模の価値があるはず。それを6300万円。NHKには無料で提供している。朝日と毎日は民放ということで、協力金をもらっている。それも権利ではなく協力金。権利に対する対価ではない。このあたりが、高野連の高野連たるゆえん」
小林氏によると、甲子園大会の収益はすべて高野連に入るという。その上で、スタッフが「高野連はだいぶ儲かっている?」と質問すると、小林氏は「そもそも儲かっていないと思う」と即答し、その理由について、こう説明した。
「儲ける気もなくて、全部ギリギリ。NHKに放送権料をもらっていない。入場料といっても、チケット単価は平均1400円。だから全部やせ我慢。運営費をまかなうだけのお金しか稼がない。ビジネスではなく教育だから。誰も儲けていない。公益財団法人でもあり、ホームページをみると、内訳が実に明瞭に詳細に載っている」
さらに、スタッフからの「稼ごうと思ったら稼げる?」との問いには、「150億円は軽く稼げると思う」とした。
25年大会は8日に第4日目を迎え、大会第15日目の22日に決勝戦が予定されている。
/
— 日本高等学校野球連盟 (@official_jhbf) August 6, 2025
????️ 全国高校野球選手権大会 組み合わせ表の変更
\
本日8月7日(木)午前の部は、天候不良が予想されるため本日6時に中止が決定しました。
それに伴い、組み合わせ表が変更となりましたのでお知らせいたします。 pic.twitter.com/93RhIK6ZMe