愛知県蒲郡市にある「竹島水族館」が水槽のアクリルガラスを守るために、ユーモアたっぷりな言いまわしで注意喚起の張り紙を設置したことがXで話題になっている。いかに高価なのか、身近なものに例えた様子が好評を博しているのだ。水族館に導入背景を取材した。「お高いことはよくわかったw」話題となっているのは、Xユーザー「星空鉄道+なおの旅@ピとひとつになった(@yukarinhocha)」さんが2025年8月13日に紹介した現地の写真だ。分厚い水槽の下部にコンクリートの段差があり、そこに数枚、黄色に赤文字で「ここにはのらないでね」と書かれた張り紙が。水槽のアクリルガラスの価値をそれぞれ高級品に例えながら下記のように注意を呼びかけている。「目の前のアクリルガラスは傷を直すのに超お金がかかります。絶対に蹴ったり、叩いたりしないでください」「このアクリルガラスは、家買えるぐらい高かったです。大切にしたいので蹴っちゃダメだよ」「このアクリルガラスだけで高級車のB○Wとかフェ○ーリが買えちゃいます。館長の車より高いので、絶対に登らないでね」「高級うなぎなら毎日10年分食べれるぐらいリッチなガラスです。優しくしてあげてくださいね」「このアクリルだけで下宿しながら私立の大学に余裕で通えます。いたずらしないでね」投稿は8月15日時点で16万件超の「いいね」を集め、「お高いことはよくわかったw」「具体的かつ切実で好き」「ユーモア溢れる注意喚起」「内容が完全に『子供を連れてきた親』宛てなのがウケるね」「わかりやすくて嫌味っぽくない」などと評価されている。24年10月改装で設置「楽しく見てもらえる工夫をしたくて」投稿者によると、竹島水族館のカピバラ水槽前で撮影したという。実際、15日にJ-CASTニュースの取材へ応じた同館広報・カピバラ担当者は、「昨年の10月に行ったリニューアルでこのカピバラエリアができ、その際にこのパネルを掲示しました」と説明した。文章表現の狙いを含め、導入背景については、「水槽を作る際に一番お金がかかるのがこのアクリルガラスなのですが、水槽の構造上足元に段差ができます。そこに足がかかると傷がつく可能性があったためパネルを設置しました。当館はスタッフ自ら作成するパネルが人気の水族館ですので、ただ『乗らないでください』といった注意事項を書くのではなく、楽しく見てもらえる工夫をしたくて、この内容にしました」と答えた。Xの反響は「当館からのお願いごとをこんなに楽しんでもらえて、すごくうれしいです」と受け止め、運営にあたっての思いを下記のように伝えている。「リニューアルして少し大きくなった水族館ですが、アットホームさを大切にスタッフ一人ひとりが工夫を凝らして日々挑戦を行っております。生き物はもちろんですが、ぜひリッチなガラスやいろんな取り組みをするスタッフなど、水族館全体のことを知って楽しんでいただきたいと思います」24年のリニューアルでは、アシカショープールや日本最大級の深海水槽も出来たとして「どちらももっとリッチなガラスを使ってます」と明かす。後者は世界最大のカニ「タカアシガニ」を下から見ることができるとして独自性を誇った。「それぞれのエリアで解説イベントも行ってますので、ぜひ遊びに来てください」としている。
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