SKE48の中野愛理さん(24)が写真集「可愛いと言って欲しい」(KADOKAWA)を2025年7月30日に出版した。中野さんは18年にドラフト3期生としてSKE48に加入。アイドル8年目にして念願の写真集発売が決まったことを5月25日に発表していたが、その1か月半後の7月15日にはグループからの卒業を発表した。写真集はインドネシア・バリ島で撮影。完成した写真集は「『SKE48中野愛理』という人がいたんだという証拠、証明にもなる」と笑顔を見せた。グループへの思いや、卒業後の展望についても語ってもらった。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)レンズに映った自分を「憧れているアイドル」に見立てて撮影―― ファンの皆さんから写真集待望論があったものの、「諦めてください」と応じていたそうですね。今回の出版の話は意外だったのではありませんか。中野: 自分にお話が来るとは思っていなかったので、予想外の出来事でした。ファンの皆さんにも、真顔で「絶対にないから待たなくていいよ」と、ずっと言っていました。ただ、憧れはあって、いろいろな写真集を買ったりはしていました。―― どういった方の写真集を参考にしていたのですか。中野: AKB48グループメンバーの写真集は、(SKE48加入前の)ファンの頃から買っていました。今回は、スタッフさんから(乃木坂46の)遠藤さくらさんの写真集の雰囲気が参考になると言われ、研究しました。憧れのアイドルは≠ME(ノットーコールミー)の鈴木瞳美さんなので、今回の話をいただいた時も、読み返しました。―― 撮影ではどんな点を工夫しましたか。中野: カメラのレンズを覗き込んだときに、反射して自分が見えると思うのですが、それを自分ではなく「憧れているアイドル」だと思って撮影しました。「私の憧れているアイドルだったら、この時こういうポーズするのかなぁ...」みたいなことを考えていました。―― ロケ地はバリ島でした。特に印象的なロケ地があったら教えてください。ずっと雨が降っていて、撮影の時だけ晴れた、という話も聞きました。中野: ありえない量の雨、スコールが降っていましたね......!印象に残っているのは最後のページの夕日のカットです。夕日が見える直前まで大雨だったのですが、「この日しか夕日を撮るチャンスがなかったから、絶対に夕日が出てくれないと困る」という状態でした。急に雨がやんで夕日がきれいに見えたので、本当に印象に残っています。海もきれいでした。普通の衣装よりも水着の方がアクセスが「倍とかのレベルではないくらい」高いお気に入りカットを手に取材に応じるSKE48の中野愛理さん―― 現地でやりたいことや、事前にリクエストしたことはありましたか。中野: 衣装は、自分では選ばないようなものを、「第三者目線から見て、似合っていたら着る」というのを心がけました。フラミンゴの柄の衣装は自分では選ばない色なので、こういうのにチャレンジするのもありだと思いました。私自身が好みなのは、「ふわふわ系」のお洋服や、ピンクと白の衣装です。表紙のランジェリーも自分が一番着たくて選んだものです。―― SHOWROOM配信で話していましたが、普通の衣装よりも、水着の方が注目度が高いそうですね。中野: 本当にそうです。(アクセス数が)倍とかのレベルではないくらい違いますね。写真集の宣伝をするときは、なるべく「着ていない」ものを出すようにしたり、2秒ぐらいの動画にすると、すごく伸びますね。それで動画での宣伝に力を入れるようになりました。―― 苦労したシーンはありましたか。中野: プールの上で浮き輪に乗っているシーンです。ひっくり返るかと思ってずっと怖くて...。あとはバラの花を入れたお風呂です。撮影しているときに、どんどんお湯が抜けていって、最終的には寝そべるみたいな感じになって、頑張って撮影しました。―― 配信では「眠かった」と話していましたが、全然そんな感じもしませんね。中野: 本当ですか!K-POPみたいな衣装で、ちょっと寝そべっている感じの撮影のときは、危なかったですね。(笑)あえて仁川経由で移動「存分に韓国を味わいました」プールサイトで水着姿も披露(C)KADOKAWA(C)Zest,Inc.PHOTO/田中智久―― 東京からバリまで、直行便ではなく、あえて大韓航空で仁川経由で行ったそうですね。長旅で疲れが出たのでしょうか......?中野: ロケ地を決める時に「韓国に行きたい」という話をしていたのですが、編集担当の方が、そういうのを覚えてくださっていて、わざわざ韓国経由にしてくださったんですよ...!空港からは出られないのですが、存分に韓国を味わいました。でも、やっぱりそこからの移動で疲れましたね。(笑)―― 写真集のタイトルは「可愛いと言って欲しい」。総合プロデューサーの秋元康さんからの帯コメントには「中野愛理が、"可愛いと言って欲しい"と思いながら、撮影に臨んだからだろう」とありますが、そのような気持ちを持ちながら撮影に臨んだのでしょうか...?中野: 「可愛い」に全振りした写真集にしたいと思っていたので、衣装も全部可愛い感じにしていただきました。そういう(「可愛いと言って欲しい」という)気持ちはもちろんあって、大人っぽい雰囲気もありつつも、可愛さを意識しながら撮影しました。自然体の時が一番可愛いと思うので、はしゃいでいるシーンの「素の私」も可愛いと思っていただきたいです。先ほど、レンズに映る自分を「憧れているアイドル」だと思って撮影した、という話をしました。その時に「可愛いと思ってほしい」という思いは、いつもより強かったと思います。―― 撮影時期はいつ頃ですか。中野: 3月に3泊4日で撮影しました。ダンスを覚えるのが苦手で「今思っても、結構頑張っていた」お風呂でも撮影(C)KADOKAWA(C)Zest,Inc.PHOTO/田中智久―― 卒業が8月末に迫っています。そう考えると、写真集はグループ活動の成果のひとつと位置付けることもできますね。中野: 写真集はこうやって形になるし、表紙に「SKE48中野愛理」と名前を刻んでもらって本屋さんにも並ぶわけで、本当に「SKE48中野愛理」という人がいたんだという証拠、証明にもなる最高のものが出来上がったとすごく思います。―― SKE48での経験は今後の糧になると思いますが、特に印象的だったことはありますか。中野: 大変だったことを挙げると、やっぱりダンスを覚えるのが遅いので、結構それで悩まされました。周年コンサートでは普段やらない曲をいきなりやることが多いので、その短い期間で覚えてレッスンする、リハーサルするのが結構大変でした。歌って踊ってがアイドルなので、それを「苦手」と言ってしまってどうするんだ、と思うかもしれませんが(笑)、本当にダンスが苦手で覚えられなかったです。今思っても、結構頑張っていたと自分でも思います。―― 逆に嬉しかったことや、良かったことはありますか。中野: 選抜メンバーに入ることができたことや、(派生ユニットの)カミングフレーバーでいろいろな経験をさせていただいたことです。他のメンバーが経験できなかったことが、こういった活動を通じてできたので、すごく誇りに思います。SKE48に入ってからポジティブな気持ちが鍛えられてハートが強くなったので、これから社会に出ても、悩むことなく、経験をバネに頑張っていけたらと思います。―― 卒業後は、どのような形で活躍を目指しますか。中野: やりたいことが結構いろいろなジャンルであるので、それぞれやっていけたらいいという感じで、まだ「これ」という明確なものは決めていません。―― 何か目標はありますか。中野: ヘアメークさんが身近にいると、「かっこいいな」と思うので、そういうのにもチャレンジするのもいいなと思います。もしそういうお仕事ができるとなったら、SKE48の現場に行って、やってあげたいですね......!本当にやりたいことはいっぱいあります。中野さんは発売記念イベントを8月22日にHMV&BOOKSSHIBUYA(東京都渋谷区)で開く。中野愛理さん プロフィールなかの・あいり 2001年生まれ、愛知県出身。18年にドラフト3期生としてSKE48に加入。チームS、派生ユニット「カミングフレーバー」メンバー。32枚目のシングル「愛のホログラム」(24年2月発売)から2作品連続で選抜メンバーに選ばれた。25年8月末にSKE48を卒業予定。愛称は「らぶりん」。
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