参政党を推す40~50代の「就職氷河期世代」 さや氏「みなさんのお母さんにしてください」が刺さった背景

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   2025年夏の参議院選挙で、参政党は大きな旋風を巻き起こした。比例区の得票を分析すると、40代と50代で計42%を占め、この世代が同党最大の支持基盤となった。

   この「就職氷河期世代」、いわゆるロストジェネレーションから支持を集めた背景には何があったのか。主に文化的な観点から考察してみよう。

  • 2025年7月の参院選で街頭演説を行う参政党・神谷宗幣代表
    2025年7月の参院選で街頭演説を行う参政党・神谷宗幣代表
  • 7月の参院選で当選した、参政党・さや(本名・塩入清香)氏
    7月の参院選で当選した、参政党・さや(本名・塩入清香)氏
  • 2025年7月の参院選で街頭演説を行う参政党・神谷宗幣代表
  • 7月の参院選で当選した、参政党・さや(本名・塩入清香)氏

正社員になれず「救われなかった世代」

   現在40~50代の就職氷河期世代は、バブル崩壊後の不況期に社会へ出た。正社員になれず、派遣や非正規雇用でキャリアを築かざるを得なかった人も多い。

   景気回復の恩恵は薄く、今も収入や社会的安定を得られない層が少なくない。まさに「救われなかった世代」である。

   この世代が育った1980~90年代、日本社会には父親が外で働き、母親が家庭を支える家父長的な家族観が色濃く残っていた(『平成5年度厚生白書』)。

   アニメやゲーム、漫画などのサブカルチャーでは、優しく無条件に受け入れ、ときに超人的な力で守ってくれる女性キャラクターが多数存在した。批評家・宇野常寛氏はこれを「母性のディストピア」と分析している。

   2000年代に入ると、2ちゃんねるやニコニコ動画などネット文化が台頭する。

   この頃から、自分の好きなアイドルなどを応援する「推し」という言葉が生まれた。

   2010年代にはAKB48や『アイドルマスター』など、複数の中から自分の推しを見つける文化が定着する。同時期に、政治や社会問題を真剣に議論するより、茶化したり揶揄したりする「冷笑系」の態度が広まった。

   さらにSNSの普及によって、自分の感情や信念に合う情報だけを選び取る、反知性的ともいえる情報受容のスタイルが拡大した。

   氷河期世代の一部には、心地よいものだけを選択的に受け入れる感情的な傾向が根付いたといえる。

姉妹サイト