ネット&「推し」文化と、参政党との親和性
こうした世代的背景は、参政党の主張やスタイルと親和性を持った。たとえば同党は選択的夫婦別姓制度に反対し、家父長的な家族観を重視している。
参院選の街頭演説で、同党のさや(本名・塩入清香)氏が「みなさんのお母さんにしてください」と発言した場面は、「有権者を子ども扱いしている」と批判された一方、「母性の発露」として受け止められる向きもあった。
また、SNS上での参政党支持は、まるでアイドルグループを応援する「箱推し」に近い熱量を帯びていた。
『Nippon.com』大阪経済大学・秦正樹准教授の調査によれば、参政党支持層の政党への感情温度は85.1ポイントと極めて高く、党首と政党の評価差も小さい。
「#推しのために選挙へ行く」といったハッシュタグが登場し、政治活動がファン活動の延長のように行われる。
演説の切り抜き動画やインフルエンサー発信は政策よりも人物像や感情的魅力を前面に押し出し、支持者の熱量をさらに高めた。