「元スパイと不動産王では役者が違いすぎた。トランプさんはマインドコントロール状態」――朝日新聞の元ワシントン特派員でキャノングローバル研究所の峯村健司上席研究員はそう分析した。2025年8月18日放送の「サン!シャイン」(フジテレビ系)は、15日に行われたトランプ大統領とプーチン大統領の米露トップ会談の舞台裏を解説した。記者会見はプーチン氏の「勝利」独演会コメンテーターとして出演した峯村氏は、「プーチンさんはうまくやったなという感じ。9対1か、9.5対0.5でプーチンさんが勝った」とワンサイドゲームだったという。どういうことか。「トランプさんとしては、うまく停戦をやりました、さらに私が戦争を止めて平和を作ったと。もっと言うと、トランプさんが一番欲しいノーベル平和賞というのが頭の中にあって、うまくいくと思っていたんですね。でも、やはり(訓練を受けてきた)元スパイであるプーチンさんの方が一枚も二枚も上手だったということですね」会談後の記者会見でも、プーチン氏は手ぶりを交えてにこやかに約8分半の"独演会"だったのに対し、トランプ氏は目もうつろで、ボソボソと約3分半しゃべっただけだった。トランプ氏はマインドコントロール状態峯村さんは「同行してきたロシアの記者に聞いたら、『完勝だ』『トランプ氏の頭の中をがっつり変えることに成功した』と言っていました」と話す。たとえば、言葉一つとっても、完全にプーチンペースだったという。「停戦できるという形でトランプさんも自信満々だったんですけど、終わった後にまったく停戦と言わなくなっています。和平協議であると言ったんです。和平協議は何かというと、プーチンさんが言っていた言葉です。停戦は置いて、まず和平の話をとプーチンさんが言ったままのことをトランプさんが言ってるんです。マインドコントロールのような状態です」(峯村氏)会見の最後には、「次の会談はモスクワでやろうぜ」などとからかわれてしまった。アメリカの「王様」は、ロシアの「王様」の前で裸だった。(シニアエディター 関口一喜)
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