昨年は球団ワーストの91敗を喫し、最下位に低迷した西武。西口文也監督が就任した2025年シーズンは春先から投打ががっちりかみ合い、一時は貯金を最多の7まで増やしたが、7月以降に失速。現在借金7で、3位・オリックスに5.5ゲーム差と逆転でのCS進出を目指している。メジャーの舞台への思いその中で投手陣のキーマンとなるのが、高橋光成だ。21年から3年連続2ケタ勝利をマークしたが、昨年は0勝11敗、防御率3.87の大誤算。打線の援護に恵まれない試合があり、投球内容は悪い時ばかりではなかったが屈辱的な数字だった。今年は復調の兆しを見せている。18試合登板で5勝6敗、防御率2.56。8月22日のロッテ戦(ZOZOマリン)で8回4安打無失点の快投で5勝目をマークするなど、8月は(29日の試合前の段階で)3試合登板で1勝1敗、防御率1.06と投球が安定している。5月11日に出場選手登録日数が通算8年に達し、国内FA権の資格取得条件を満たした。球団には以前からポスティングシステムでメジャー挑戦を希望しているため、気になるのは今オフの去就だ。「高橋は先輩の菊池雄星(エンゼルス)にあこがれている。メジャーの舞台で自分も投げたい思いは強いでしょう。ただ、ポスティングシステムを利用して高い評価を得られるかというと微妙です。一方で、国内FA権を行使すれば、複数球団が獲得を検討することは間違いない。28歳と若いですし、先発陣の層が薄い球団はエース格として期待できる。もちろん、西武に残留するという選択肢も考えられます」(スポーツ紙記者)メジャーで通用する選手は一握りだ。今年のシーズン途中に、メジャー昇格が叶わなかった藤浪晋太郎(DeNA)、青柳晃洋(ヤクルト)は日本球界に復帰している。高橋はどのような決断を下すか。(中町顕吾)
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