マクドナルドのセルフオーダー端末で、あるボタンを押すことで、メニューなどが画面の下半分ほどに表示され、車椅子ユーザーでも注文しやすくなる――。そんなX投稿が注目を集めた。
投稿者は「この機能、もっと多くの人に届いてほしいな!」とコメントしている。また、日本マクドナルドはこの機能について、J-CASTニュースの取材に、「各国のマクドナルドで共通している機能」だと説明した。
「まだまだ世の中にアクセシビリティというワードが浸透していない」
注目を集めたのは、「両側線条体壊死症」という難病の車椅子ユーザー「ぱるる」さん(@paruru_103)による2025年8月23日のX投稿だ。「『車椅子だと高すぎて届かない...』と諦めてたマックのセルフオーダー端末、実は諦める必要なかった」と取り上げた。
「『アクセシビリティ』というボタンを見つけて恐る恐る押してみたら、まさかの画面全体がスルスル~っと下に!」と説明し、セルフオーダー端末の下の方にある「アクセシビリティ」ボタンを押す様子の動画を添えた。
ぱるるさんはこの機能について、「車椅子ユーザーでも楽々注文できる、素晴らしい機能だったんだけど...」としつつ、「正直、『アクセシビリティ』ってボタンだけだと何ができるか分からず、見逃してしまう人も多そう」と、課題も指摘。
「この機能、もっと多くの人に届いてほしいな!そして、よりわかりやすい表示になったら嬉しいな。マクドナルドさん、どうかご検討を」と呼びかけた。
この投稿には3000超の「いいね」が付き、2000超リツイート(拡散)された。「素晴らしいですね!」「こういう配慮がもっと広まってほしいですね」「車椅子のピクトグラムや画面を下げる等の表示の方が万人にわかりやすいわな」などの声が寄せられている。
ぱるるさんはこの機能を発見したきっかけについて、J-CASTニュースの取材に、
「以前Webアクセシビリティに関わるお仕事を2年半ほどしていました。その経験からアクセシビリティというボタンを発見した時に、どのような仕様に変化するのか興味が沸きました。押してみると、車椅子ユーザーでも使いやすいような仕様になる事がわかりました」
と説明。
「アクセシビリティ」という表示の名称について、「私自身はアクセシビリティというワードに馴染みがあるのですが、まだまだ世の中にアクセシビリティというワードが浸透していないように感じています」といい、「せっかくの機能なのにアクセシビリティという表示だけで知られていなかったとしたら、もったいないなと思いポストしました」と、投稿の経緯について明かした。
車椅子ユーザーや子どもに「ご利用いただきやすいように」
J-CASTニュースが日本マクドナルドにセルフオーダー端末に「アクセシビリティ」ボタンを搭載した経緯や理由について尋ねると、広報部の担当者は28日、
「『アクセシビリティ』ボタンは各国のマクドナルドで共通している機能となり、車いすでご利用のお客様やお子さまなどにご利用いただきやすいようになっております」
と、説明した。
賞賛の声が寄せられる一方、表示がわかりにくいのではないかとの指摘については、「貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございます。引き続き、様々なお客様のご意見をお伺いしてまいりたいと思います」とコメントした。
バリアフリーに関する取り組みについて、マクドナルドではほかに、「店舗では出入口にスロープを設けさせていただいたり、2階建ての新しい店舗では、エレベーターを可能な限り導入させていただいております」とした。
「車椅子だと高すぎて届かない…」と諦めてたマックのセルフオーダー端末、実は諦める必要なかった????
— ぱるる???? (@paruru_103) August 23, 2025
「アクセシビリティ」というボタンを見つけて恐る恐る押してみたら、まさかの画面全体がスルスル〜っと下に!????✨
車椅子ユーザーでも楽々注文できる、素晴らしい機能だったんだけど…… pic.twitter.com/kHZJzy29M0