踏切内で車が急に右折し......。愛知県春日井市内の名鉄小牧線・春日井駅近くの踏切で、こんな珍事が発生し、電車が長時間ストップするアクシデントがあった。
高齢ドライバーによる運転操作ミスが度々報じられているだけに、ネット上で注目を集めている。一体どんな状況で、こんなことになったのだろうか。
「すごく落ち着いており、事の重大さにあまり気付いてない様子」
シルバー色の乗用車が、踏切近くで線路をまたいで止まっている。傾斜があるため、車体が少し傾いていた。
踏切には、作業員や警察がいて、事故の対応に当たっている。
これらの写真は、高齢者による線路侵入だとして、X上で2025年9月4日に投稿された。
3000件以上の「いいね」が集まっており、「どこまで行く気だったのでしょうか...」「もう車の免許は返納したほうがいい」といった声が寄せられた。
この投稿者は5日、J-CASTニュースの取材に応じ、踏切わきのイスに座って警察から事情を聴かれる白髪の高齢者男性を目撃したとして、こう話した。
「警察官になぜこうなったか聞かれて、ちゃんと答えてたので運転できない様子ではなかったです。すごく落ち着いた様子で事の重大さにあまり気付いてないように見受けられました」
名古屋鉄道の広報担当者が5日に取材に答えたところによると、4日午前8時15分ごろ、春日井―牛山駅間の踏切で乗用車が線路に侵入する事故があり、警察からの通報を受けて、小牧線は運休になった。
上下線25本が運休するなどし、10時53分にようやく運転を再開した。この事故で、約6000人の足が乱れた。
事故については、近くの防犯カメラが捉えており、東海テレビが4日の放送で流した。
それを見ると、シルバー色の乗用車は、踏切に入ると、渡る手前で急に右折し始める。
愛知県警「年齢的なものやドライバーの状況もあります」
そのまま、車体を揺らしながら、線路上を2、3メートル走り、いったん止まった。しかし、バックせず、また少し走って、踏切から5メートルほどのところで立ち往生してしまった。
すると、渡るはずだった先の道にいた別の車からドライバーが降り、線路沿いの道を走って声をかけに行く。その後に戻って、踏切の非常ボタンを押すような行動を取った。
しばらくして、作業員が集まり、ドライバーの男性が両脇を抱えられるようにして歩く。様子ははっきりしないが、腰が曲がっているようにも見えた。
目の前で遮断機が下り、男性がバーを潜って出るところまでの映像だった。
この男性は、70歳だといい、東海テレビの取材に対し、「踏切を渡った先の道を曲がるつもりが、間違えて早く曲がってしまった」と説明したという。
事故について、愛知県警の春日井署は9月5日、高齢の男性ドライバーによる事故だとJ-CASTニュースの取材に答えた。
「事故原因は、飲酒運転ではありません。視界も悪くなく、わき見運転でもないようです。詳しくは話せませんが、年齢的なものやドライバーの状況もあります。事故扱いで、捜査はしていません。家族が免許返納を求めたかについては、確認していません。免許を返納するかどうかは、ご本人と家族との話し合いになると思います。ご本人は、息子さんとは連絡しているようです」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)