女子プロレスラー・ジャガー横田さんの夫で医師の木下博勝氏が2025年9月12日、風邪などに対する抗生剤の保険診療報酬は原則認めないとの方針が発表されたことをめぐり、「これは当然の決断です」とインスタグラムで言及した。「効かない薬を処方して診療報酬を請求すること自体...」木下氏は投稿文で「抗生剤の"無駄使い"はもう許されない!」と書き出し、「厚労省の外郭団体『支払基金』がついに明言しました。風邪や小児インフルエンザに対して、抗菌薬(抗生剤)の保険請求は原則認めない。以前から何度もお伝えしていますが、これは当然の決断です」と言及した。「効かない薬を処方して診療報酬を請求すること自体、医療費の無駄遣いです。言い換えれば"公費の不正利用"ともいえる行為です」と訴えた。なお、8月29日、診療報酬の審査・支払いを行う「社会保険診療報酬支払基金」が公式サイトで、「次の傷病名に対する抗生物質製剤【内服薬】又は合成抗菌薬【内服薬】の算定は、原則として認められない」と見解を発表した。具体的には(1)感冒、(2)小児のインフルエンザ、(3)小児の気管支喘息、(4)感冒性胃腸炎、感冒性腸炎、(5)慢性上気道炎、慢性咽喉頭炎の計5点だ。感冒は風邪とも呼ばれる。発表によると、抗生剤は細菌または真菌に由来する抗菌薬、合成抗菌薬は科学的に合成された抗菌薬で、「共に細菌感染症の治療において重要な医薬品である」と説明。しかし前出の病気に関しては、細菌感染が原因となることは少なく、いずれも細菌感染症に該当しないといい、「抗菌薬の臨床的有用性は低いと考えられる」としている。「抗生剤は、必要な時にこそ命を救う薬です」木下氏はインスタで「抗菌薬は『細菌』に効く薬であり、『ウイルス』には一切効きません。それでも『患者が安心するから』『とりあえず出しておこう』という理由で処方されてきたのだと思いますが、結果として、耐性菌の増加という形で未来の医療を蝕んでいます」としたうえで、下記のように考えをつづっている。「抗生剤は、必要な時にこそ命を救う薬です。『効かない薬』を気休めでばらまき続ける医療行為には、診療報酬を削るという強制力が必要だったと考えます。そして今回ようやく、制度が現実に追いつきました。患者さんも医療者も意識を変える時です。もう『抗生剤ください』『とりあえず出しておく』では済まされません。医師は正しい情報を患者さんに伝えて理解してもらうべきです。未来の医療を守るために、抗生剤は正しく、必要な時だけ使う。これが唯一の道です」
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