「自民党は保守政党ではない」と言った元衆院議長も 総裁候補の主張はどっちつかずのあいまい路線

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「幅広い支持層の政党」は分裂の危機も内包する

   では、今回の参院選で「日本人ファースト」を打ち出して自民党の保守票を奪ったとされる参政党は、「保守」なのか? 同党の政策には、農薬を使わない「オーガニック食品」の普及を掲げるなど、リベラル層を狙ったものもある。(毎日新聞「参政党の研究」)

   日本の新興政党には「3年で衰退する」という法則がある。1976年に自民党の金権体質を批判した離党者らで設立した「新自由クラブ」は、衆院選で17議席に伸ばしたが、3年後の衆院選で4議席と惨敗、86年に解党した。93年に政治改革を訴えて自民党を離党した「新党さきがけ」は同年の衆院選で13人が当選したが、94年に自民、社会党と連立を組んだ経緯を経て分裂、96年衆院選で2議席に転落した。

   参政党の場合は、289の小選挙区のほとんどに支部があるなど、地方組織が充実しているため「3年衰退」を否定する指摘もあるが、神谷宗幣代表以外は政治経験者が少ないことなど、政党としての質に疑問を呈する専門家が少なくない。

   老舗の自民党についても「政権から転落した時の脆さ」を指摘する声も根強い。民主党政権(2009年)では3年で政権復帰、細川政権でも1年足らずで復帰したが、石破茂首相をはじめ、政権転落時の離党経験者は少なくない。「保守からリベラルまで幅広い考えの集団」という「強み」は、政権から転落した時に、そのまま分裂の可能性に直結する。

(ジャーナリスト 菅沼栄一郎)

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