ウクライナ国籍の男3人が、原発事故で被災した福島県内の空き家でライブ配信していたとして、邸宅侵入の現行犯で県警に逮捕された。
容疑者の男らは、ロシア語で配信しており、不穏な言動も見られた。一体どんな目的で、被災者の気持ちを踏みにじるような行為をしていたのか。
放射線測定器を取り出し、部屋や庭で濃度チェック
暗い民家の中で、ヘッドライトを頭に着けた男が、大地震の揺れで物が散乱したままの部屋を渡り歩く。もう1人が動画を撮影していた。
住民が大切にしていたものを手に取ったり、食品が入ったままの冷蔵庫をのぞいたりする。放射線測定器を取り出し、部屋や庭で濃度チェックもしていた。
その後に入った居間のような部屋では、畳の上に敷かれた布団の上で男らが寝転がる。電気が点かないため、ロウソクがいくつか立てられていた。
男らは、部屋に置いたカセットコンロの上にやかんを乗せ、お湯を沸かす。そのお湯で、お茶を飲んでいる様子だった。
被災地だけに、原発事故についても、男らの話題になった。その中で、原発へ行って、停止ボタンを押すといった不穏な発言もみられた。
この動画は、男らが運営するユーチューブチャンネルで配信された。2025年9月24日になって、X上で転載されて拡散され、まとめサイトも取り上げる事態になった。
騒ぎを起こした男らは、この日のうちに福島県警の双葉署に逮捕され、地元メディアなども大きく報じた。
報道によると、逮捕されたのは、住居不定で自称の会社員(34)、運転手(29)、電気工事業(43)の3容疑者になる。
動画の視聴者から通報を受けた同署が、映像内容から現場を突き止め、午前7時30分ごろに警察官を急行させた。原発事故による避難指示で住民が住めない帰還困難区域にある大熊町内の空き家内で3人を見つけ、事情を聴いたうえで、1時間後に逮捕した。