自民党は2025年9月27日、総裁選に向けた「ひろゆきと語る夜」と題した討論会を開いた。候補のひとり、小泉進次郎農水相をめぐる「やらせ」の称賛コメント問題をめぐる発言にも注目が集まった。広報担当辞任の牧島氏には「殺害予告や事務所への爆破予告小泉氏をめぐっては週刊文春電子版が9月24日、小泉陣営の牧島かれん衆院議員の事務所が他の支援者に対し、小泉氏に関するポジティブなコメントを動画配信サービスへ書き込むよう依頼していたと報じた。同誌は見出しで「卑劣ステマ」とも表現している。その後、小泉氏は26日の記者会見で「参考例の中に一部行き過ぎた表現があったことは適当ではなく、二度とこういうことがないように話をさせていただきました」などと釈明した。牧島氏については、「殺害予告や事務所への爆破予告が寄せられている」とした上で、広報担当を辞任したと報告した。この日の討論会では、インタビュアーのひろゆき氏が「なんだろう、コメント見てると、すげえ『ステマ』って書かれてるわけですよ」と笑いながらも切り込んだ。「『ONE自民』ということでより建設的な議論をかわす場にできたら」候補者らに対し「(ステルスマーケティングについて)いろんな考え方あると思うんですよ」としつつ、「ステマに関してどう思うか」と候補者らに見解を求めた。小林鷹之元経済安全保障担当相は、「健全な情報空間というものを保っていくのが重要」とした上で、誹謗中傷をめぐる法律「情プラ法(情報流通プラットフォーム対処法)」の活用を訴えた。自民党内の問題については、「小泉候補自身ももう謝罪をされてますし、再発防止に努めるという風に言ってますので、私自身はこの総裁選はですね、『ONE自民』ということでより建設的な議論をかわす場にできたらなと」と語った。茂木敏充前幹事長は「ステマは良くない」としつつ「なんか悪いことがあるから全部やめちゃうっていうことじゃなくて、まずはやってみて問題が起きたらきちんと対処していく。これが基本的な方針だ」。党内の問題については「小泉さんご自身がやったわけじゃないですけれど、『責任を感じる』とこういう話もされてますんで。それはそれで、みんなフェアにですね、『ONE自民』でやっていきたいと思ってます」とした。「小泉さん自分でこんなことをやる人じゃないし」林芳正官房長官は、「今回の小泉陣営の話は、牧島さんがみんなに『これやってね』って言うんじゃなくて、みんなが小泉さん見て『こうだよね』って言ってればステマじゃないんで、おそらくほっといてもそういうコメント出てたなと思って」とコメント。「ちょっともったいない感じだったなと思いましたけど、いずれにしても小泉さん自分でこんなことをやる人じゃないし。だけども責任とって謝罪すると。これリーダーとしてはですね、あるべき姿だという風に私は思いました」とした。高市早苗前経済安保相は「憲法でちゃんと表現の自由というのは保障されています。その一方で公共の福祉っていうのもありますから、そのバランスを取りながらってことだろうと」と誹謗中傷をめぐる対応の難しさに触れた。その上で、「自民党内のことについては、もう左に同じということで同じ意見でございます」と回答した。小泉氏は、「今の件については、ひろゆきさんは私に聞きたかったと思う。その分、他の候補の皆さんには、今の問いに答えなくてはいけない環境を作ってしまったことも、大変申し訳なく思う」などと発言。改めて事案について陳謝した。
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