自民党総裁選に向けた討論会で、英語でのやり取りのあり方が焦点になる場面が相次いでいる。2025年9月27日の「ひろゆきと語る夜」と題した討論会では、司会のひろゆき氏が英語での回答を求めたのに対して、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官の2人が英語で回答。翌28日の討論会では、この2人に加えて高市早苗・前経済安保担当相が英語で回答したものの、小泉進次郎農水相と小林鷹之・元経済安保担当相は、やはり日本語のみで回答。ひろゆき氏はXで、小林・小泉両氏について「話せないと思われても仕方ない」と指摘した。「ニューヨークに住んでいたので日本語が得意ではなく」28日に開かれたニコニコ主催の討論会では、「総裁候補vs中高生『日本の未来』討論会」と題して、N高グループ・N中等部の生徒ら中高生から質問を受けた。英語の質問が出たのは終盤だ。質問者は「Actually,IlivedinNewYork.So,I'mnotgoodatJapanese.So,IaskaquestioninEnglish」(ニューヨークに住んでいたので日本語が得意ではなく、英語で質問する)と断った上で、(1)なぜ首相になりたいのか(2)いつ首相になると決めたのか、の2点について英語で質問した。小泉氏は、日本語で「昨日も、ひろゆきさんの番組で、英語で答えろという風に振られたが、正確にお伝えしたいので、ゆっくりお話をさせていただく」と断り、「日本の中で、世界の動きを見ていると、このままのスピードと政策の強度では、次の世代に間に合わない。こういう危機感を持ったことが大きい」などと話した。小林氏は「LetmespeakinJapanese.」(日本語で話させてください)と断って、12年の衆院議員初当選時から「この国のかじ取りを担う政治家になりたいという思い」を持っていると説明した。茂木氏は、英語で「When?About10yearsago.Why?InordertomakeJapanasaleadingcompanyintheworld」(いつ?約10年前。なぜ?日本を、世界をリードする企業として位置付けるため)などと反応。グローバル・ヘルスや地球温暖化といった、多くの国が直面する問題にも言及した。林氏は英語で「首相になることを考えた3つの時期」説明林氏は、「IwouldliketomentionaboutthethreetimesIthinkaboutbeingaprimeminister」(首相になることを考えた3つの時期について述べたい)。(1)小学校卒業の1973年、卒業文集に「大きくなったら首相になりたい」と書いた(2)1995年に参院議員に初当選し、国会議員として首相になるという夢があった(3)2009年に自民党総裁選に初挑戦し、それ以降挑戦し続けている、などと英語で説明した。09年の総裁選では林氏を擁立する動きはあったものの、実際に出馬したのは12年が最初だ。高市氏は、英語で「When?Iwas24yearsold.Why?IloveJapanverymuch」(いつ?24歳の時。なぜ?日本をすごく愛しているから)と答えた。27日の司会を務めたひろゆき氏は、28日の様子を論評するXのポストを引用して、次のように反応した。「『日本語が得意ではないので英語でお願いします』と、英語で言われても英語で返さない小泉さん・小林さんのお二人は話せないと思われても仕方ないよね。今回はきちんと英語対応した高市さんは好印象。茂木さん、林さんは安定の英語対応」「優秀な通訳をつける」ではダメなのか、という声には、日本の首相が英語を話せなくても良いとする一方で、質問者の状況を踏まえない態度を問題視した。「ただ、相手に合わせようとする心意気がない事が、問題だと思う人もいるという事です。2人とも英語話せるんでしょ?」小泉氏は米コロンビア大大学院を、小林氏、茂木氏、林氏は米ハーバード大大学院を修了している。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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