名古屋・栄を拠点に活動するSKE48は2025年10月5日、発足から丸17年を迎えた。12~13日には名古屋市内で17周年記念コンサートを予定している。新チーム発足や演目の変更など、グループにとって大きな変化が訪れた1年でもあった。9月に新曲「Karma(カルマ)」を発売したばかり。インタビュー後半では、ダブルセンターを務める熊崎晴香さん(28)と佐藤佳穂さん(28)に、18年目に向けた展望を語ってもらった。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)リーダーの役割離れて「あんなに笑ってる佳穂ちゃん見たことない」―― 25年1月、約12年ぶりとなるチーム変更が発表され、4月から新チームが発足しました。熊崎さんは、E→S、佐藤さんはE→KⅡに異動しました。雰囲気は変わるものですか。佐藤: 変わりますよね......!熊崎: かなり変わります。同期がいない環境に慣れていなかったので、存在の大きさに気づかされました。TeamEでは先輩や同期がいる中で活動してきましたが、TeamSでは自分が一番先輩、年齢も一番上です。最初はすごくふわふわした感じだったのですが、TeamSの子は結構「我が道を行く」というか、自分のプロデュース力が高く、自分のやりたいことがしっかりしている子が多いので、そういったものを生かしていけたらいいと思っています。8月まで(チーム別に)行っていた「SKE48SUMERTour2025」もアイドルをテーマにしたセットリスト(曲順)にさせてもらったり、みんなとの距離を縮めることができています。リーダーの相川暖花ちゃん(21)が、とっても明るい性格なので、大きく盛り上げてくれています。この勢いを、「SKE4817thAnniversaryFestival2025」に向けて持っていけたらと思います。―― 佐藤さんはTeamE時代、須田亜香里さん(33、22年卒業)の後任としてリーダーを務めていました。リーダーの肩書きがなくなったことを含めて、様子は変わったのではありませんか。佐藤: やはりリーダーでなくなるというのがすごく大きく、肩の荷がだいぶ下りました。ファンの方が(異動後の)TeamKⅡ公演の私を見て最初に言ったのが「なんか知らない佳穂ちゃんがいた」。リーダーになってから私を推してくれた方が今の私の姿を見たときに「あんなに伸び伸びやってて、あんなに笑ってる佳穂ちゃん見たことない」とも言っていました。私としても、そこまで変化があるようには感じていませんでしたが、表情が優しくなったと言ってくださることが多いので、やはりTeamEのときは「しっかりしなきゃ」という気持ちがずっとあったのだと思います。引っ張られた糸を緩めることができたというか......。―― 熊崎さんと同様、異動先では後輩メンバーの方が多いですね。佐藤: TeamEでリーダーになったときは先輩が10人ぐらいいて、すごく後輩の立場でしたが、KⅡになったら3人しか先輩がいなくて......。KⅡの劇場公演でセンターを務めることもあり、後輩に背中を見せる立場として、きちんとしなきゃという気持ちを持ちつつ、楽しくやれています。KⅡのメンバーはみんな個性が強いので、そこでためらわずに自分を出せる、というのも過ごしやすさだと思います。―― なるほど......!アイドルと会社員を直接比較はできないかもしれませんが、役職がつかないベテランが、一番伸び伸びできる感じがしますね。佐藤: ちょっと好き勝手やってもいいかな、っていう(笑)。秋元氏公演への回帰はどう受け止めるJ-CASTニュースの取材に応じるダブルセンターの熊崎晴香さん(左)と佐藤佳穂さん(右)―― チーム変更で劇場公演の演目も変更になりました(「僕の太陽」公演(S)、「シアターの女神」公演(KⅡ)、「RESET」公演(E))。3年ほど独自の演目(「愛を君に、愛を僕に」(S)、「時間がない」(KⅡ)、「声出していこーぜ!!!」(E))が続いていましたが、AKB48などで上演したことがある秋元康氏の伝統的な演目に回帰した形です。パフォーマンスのしやすさや、ファンの皆さんの感想など、変化を感じたことはありますか。熊崎: 私は研究生のときに「僕の太陽」公演(13~14年上演)を、アンダー(代役)で出させてもらって、先輩たちが踊っているのを見ていたので、あの頃のSKE48だな、というのがすごく記憶に蘇りました。今のメロディー、流行のメロディーもすごく自分にはグッとくるものがあって好きなところもありますが、昔の時代のアイドルソングってやっぱりいいな、これぞAKB48グループの公演だな、秋元先生らしさだな、と感じています。研究生時代に先輩方の背中を見ていた公演だからこそ、この公演を新しいメンバーとSKE48らしさに染めていけたらと思います。佐藤: (グループ変更の)直前まで「声出していこーぜ!!!」というオリジナル公演をいただいて上演していました。やはり令和にできたオリジナル公演は、今まであったAKB48グループの劇場公演と仕組みがちょっと違う気がしています。「声出していこーぜ!!!」公演は本当に体力勝負な公演で、ソロの歌割りが多い楽曲がたくさんあったりして、そこで鍛え上げられた部分があります。AKB48グループの劇場公演の演目に戻って、そこに色をつけるというか、パワーアップした各チームの姿を見せることができています。(異動で同じチームになった)同期の井上瑠夏ちゃん(24)や北川愛乃ちゃん(24)は本当にパフォーマンスがきれいなので、その2人から学ぶことも多いです。新チーム体制を通して、自身の成長にもすごくつながったので、メンバーも少しずつ成長していると思います。そこがまた演目が変わることの楽しさです。―― 今回の新曲発売から10日ほどで、グループは劇場デビュー17周年を迎えます。17年目はどんな年だったか、18年目は何を目標にしているかについて聞かせてください。熊崎: 17周年は、新体制になって、それぞれのチームが「SKE48SUMMERTour2025」で力を上げて初めて集まります。この空気感を味わうのが楽しみです。「今あの子は、このチームでこういう感じで輝いているんだな」というのを知ることができる時間でもあります。18周年に向けて、メンバーそれぞれの強みが出せたらと思います。今はSKE48に風が吹いているところなので、そのチャンスをつかんでいけるように...。メンバーにはSNSで活躍している子もいるし、いただいたお仕事を頑張ろうとしている子もいるので、それぞれを知っていただいて、SKE48の入口になれる存在になったら、もっともっと大きなライブもできるようになってくると思います。そうやってどんどん成長できるグループでありたいです。「名古屋で有名人になりたいです......!(笑)」ダブルセンターは10年ぶりだ―― 個人としては、何を目指したいですか。熊崎: 名古屋で有名人になりたいです......!(笑) 地元でもっといろいろなお仕事ができるようになりたいとすごく思っています。(中日)ドラゴンズのお仕事もそうですが、それをきっかけに「ドデスカ!」(メ~テレ)といった名古屋の朝の番組に出させていただけるようになりました。「朝が似合う顔だね」と言ってもらえることがすごくうれしいです。「笑顔がいいね」と言ってもらえることが増えたので、だからこそ、名古屋で親しみがある芸能人、アイドルになれるように頑張りたいです。―― 佐藤さんはこの1年と18年目以降、どういった思いでしょう。佐藤: 17年目は「告白心拍数」(24年)のカップリング曲「岸辺の誰か」で、初めてセンター曲をいただきました。そこから初めてのセンターのMV曲をTeamKⅡで撮影したり(「Ticktackzack」(25年)のカップリング曲「遠くの恋人よりも」)、リーダーをやり遂げてTeamKⅡの劇場公演のセンターに立たせていただいたり、(今作で)表題曲のダブルセンターに選んでいただいたりと、自分の中で分岐点になる1年だったと感じています。今までの自分の努力を信じたい気持ちもありますが、やはり18年目に向けて自分がどこまでできるか、何が自分にできるか、これから本当に自分との戦いだと感じでいます。自分の限界を決めずに頑張れる1年にしたいですし、SKE48としても、今作では多くのリリースイベントや様々なグッズも用意されています。メンバーがびっくりするぐらい、SKE48も勝負を仕掛けていると思うので、そこに私達メンバーも一緒になって走っていけるような1年にしたいです。―― お二人ともグループではベテランです。HKT48では地頭江音々さん(25)が、新曲「半袖天使」へのセンター起用が発表された後に卒業発表して非常に驚いたのですが、お二方は、もう少し長くSKE48で活動する、と受け止めてよろしいですか。熊崎: 頑張ります......!はい。佐藤: ファンの方が、今作のダブルセンターは「実力派の2人だ」と言ってくださっていて、それだけ評価いただける活動をしてこられたと感じています。それだけの活動をさせてもらえたという思いもあるので、きちんとSKE48に還元できるまでは、辞めるのは失礼かなと思っています。熊崎晴香さん プロフィールくまざき・はるか 1997年生まれ、愛知県出身。12年に6期生としてSKE48に加入。15枚目のシングル「不器用太陽」(14年)で初選抜。19枚目の「チキンLINE」(16年)以降の全シングル表題曲に参加している。趣味のひとつが競馬で、19年からコラム「ハルカ伸るか!反るか!」(東京スポーツ)を連載している。23年8月に写真集「表情ガール」(扶桑社)を発売。TeamS所属、副リーダーを務める。佐藤佳穂さん プロフィールさとう・かほ 1997年生まれ、愛知県出身。16年に8期生としてSKE48に加入。23枚目のシングル「いきなりパンチライン」(18年)で初選抜以降、全シングル表題曲に参加している。20年からラジオ「さとかほLAB」(やしの実FM)にてパーソナリティを務める。TeamKⅡ所属。チーム変更前はTeamEに所属し、22年11月から25年3月までリーダーを務めた。
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