漫画家・江口寿史氏が本人の許諾を得ずに告知ビジュアルを制作した問題を巡って、江口氏が過去に手掛けたイラストに対しても、他人の作品を無断でトレースして用いる行為を指す「トレパク」疑惑が浮上した。これを受け、各社が対応を発表している。
ルミネ荻窪、デニーズ、セゾンカード
問題の発端となったのは、ルミネ荻窪で開催されるイベントの告知ビジュアルだ。江口氏は2025年10月3日、「インスタに流れてきた完璧に綺麗な横顔を元に描いた」とXで経緯を説明し、モデル本人から連絡を受け、事後的に承諾を得たと明らかにした(既に削除)。
江口氏の投稿に対し、SNS上では批判が相次いだ。ルミネ荻窪は同日3日、「制作過程に問題があったと判断し、必要な確認が完了するまでの間、該当ビジュアルを一時的に撤去させていただきます」と公式サイトで発表。
その後6日、同店は「必要な確認をおこなった結果、制作過程に問題があった」とし、江口氏の告知ビジュアルを今後使用しないとした。また、江口氏が登壇する予定だったトークショーも中止すると発表した。
この問題をきっかけに、江口氏の過去に手掛けたイラストに対しても、「トレパク」疑惑が浮上。その指摘を受けていたデニーズジャパンは4日、制作過程の確認作業を進めていると公式サイトで説明。6日には、つぎのような対応を取ると報告した。
「その制作過程を現在確認作業中でありますが、本件が与える影響を鑑み、当社ブランドでの江口寿史氏デザインのイラストの広告等媒体物につきまして、使用を控える対応を取らせていただくことといたしました」
また、セゾンカードの公式サイトでも7日、事実関係の確認を進めているとし、「今後の対応が明らかになるまで、江口寿史氏のイラストの各種コミュニケーションツールでの使用を見合わせることといたしました」と発表されている。
さらにZoffでも、「2018年キャンペーン企画で使用されたイラストについて」と題した声明で、江口氏のイラストについて、「多くの皆さま、該当モデルの方にご心配ないしご迷惑をおかけしており、お詫び申し上げます。現在、事実関係を精査しております。確認が取れ次第、改めてご報告いたします」としている。
このほかにも、江口氏の「トレパク」疑惑を指摘する声がSNS上で相次いでいる。この一連の問題について、江口氏本人による説明などは発表されていない。
J-CASTニュース編集部は6日、江口氏にメールで取材を申し込んだ。これに対し、現時点では取材には応じられないとの返信があった。