韓国メディア「OSEN」(ウェブ版)が2025年10月8日、「韓国のイチロー」イ・ジョンフ外野手(27)の特集記事を組み、今シーズン打撃で苦しんだ原因を「高速変化球」だったと指摘した。今季は150試合に出場して打率.266、8本塁打、55打点、10盗塁イは韓国プロ野球(KBO)リーグ時代、毎年のように安打を量産し、「韓国のイチロー」と称された。21年シーズンには、打率.360と驚異的な数字を記録し、翌22年シーズンは、打率.349、23本塁打、113打点の活躍を見せた。23年オフにポスティングシステムを利用して大リーグに挑戦。サンフランシスコ・ジャイアンツと、6年総額1億1300万ドル(約164億円)の大型契約を結んだ。大リーグ1年目の24年シーズンは、5月に左肩を負傷して戦線離脱した。6月に手術を受け、そのままシーズンを棒に振った。24年の出場は、わずか37試合にとどまった。実質的に大リーグ1年目の今シーズンは、センターのレギュラーとして150試合に出場。打率.266、8本塁打、55打点、10盗塁を記録し、出塁率と長打率を合わせたOPSは.735だった。KBO時代、渡米するまで7年連続で打率3割をキープした。イに対する地元の期待は大きかっただけに、「OSEN」は今シーズンの打率.266を「打撃不振」と評し、「2年目シーズン不振の原因は速球ではなく高速変化球だった」との見解を示した。「韓国に153kmのチェンジアップを投げる投手はいない」記事では「4月は、月間打率3割2分4厘の猛打を振るったが、5月は2割3分1厘、6月は1割4分3厘と急激にペースが落ちた。原因は、生まれて初めて見る高速変化球への不十分な対応だった」と解説し、レギュラーシーズン終了後に語ったイのコメントを紹介した。イは「速球は速くても見ているうちに慣れてくるが、変化球は全く違う。韓国に95マイル(153km)のチェンジアップを投げる投手はいないだろう。韓国ではあれが直球の球速なのに、これを直球のタイミングで打つべきか、変化球のタイミングで打つべきか悩んだ。多くの試行錯誤を経験した」と語ったという。同メディアは、今シーズンの収穫は、「昨シーズンの負傷を乗り越えて健康を証明したこと」と指摘した。打撃の好不調の波により、シーズン中は打順の入れ替えが激しかったが、1年を通してレギュラーとして出場し、ある程度の数字を残した。一方、イが所属するジャイアンツは今シーズン、ナ・リーグ西地区3位に終わり、4年連続でポストシーズン進出を逃した。米メディアによると、24年シーズンからチームを率いるボブ・メルビン監督(63)は、9月29日に解任された。イは9月29日に今シーズンの全日程を終え、30日に韓国に帰国。大リーグ3年目シーズンに向けて英気を養うという。
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