「性犯罪の法定刑を上げ、検挙率を改善するなど地道にやるべき」
児童ポルノの問題に詳しい奥村徹弁護士は10月8日、J-CASTニュースの取材に対し、たとえ外国人であっても、児童ポルノ法違反の輸入罪などで日本人同様に裁かれるとしたうえで、現状をこう話した。
「単純所持であれば、教員が次々に捕まったように、警察の捜査が進みやすいでしょう。しかし、日本では、実在の児童を想定しており、AIといった架空の児童も規制対象にするには限界があります。また、児童ポルノをネット上で保存して、日本でダウンロードすれば、税関は越えられてしまいます」
児童ポルノ法違反者に対しては、フランスや米国のように、入国禁止などの措置は、日本では現状はない。ただ、日本版DBSとして、24年6月にこども性暴力防止法が成立し、子どもに関わる業務に就く人について性犯罪歴の確認を事業者に義務付ける制度がスタートした。
この制度についても、奥村弁護士は、課題を指摘する。
「前科者を登録しても、性犯罪は、初犯がほとんどです。スマホで児童とつながり、児童も自己紹介を兼ねて画像などを送るケースもよく見られます。児童に被害意識が乏しく、申告も少ないので、効果があまり出ていません。行きつくところは、欧米のように厳しくすることですが、フランスでも性犯罪はなくなっていません。対策としては、性犯罪の法定刑を上げることのほか、検挙率を改善するなど、地道にやるしかないのではないかと思っています」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)