ウクライナ出身初三役・安青錦、母国の話題に多くを語らず...日本国籍取得に意欲

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   大相撲の小結・安青錦新大(あおにしき・あらた)関(21)が2025年10月9日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見した。安青錦関はウクライナ出身で初の三役力士で、「力士になったから(には)横綱を目指してやっていきたい」と意気込み、会場からは拍手が起きた。

   ロシアによる侵略を受ける母国については「相撲の話をしましょう」と多くを語らなかったが、「もちろん帰りたい気持ちもある」とも話した。将来的には「親方になれるのだったら、なりたい」と、日本国籍取得を目指していることも明かした。

  • 日本外国特派員協会で記者会見する小結・安青錦関。母国・ウクライナについては多くを語らなかった
    日本外国特派員協会で記者会見する小結・安青錦関。母国・ウクライナについては多くを語らなかった
  • 記者会見場には多くの記者が集まった
    記者会見場には多くの記者が集まった
  • 日本外国特派員協会で記者会見する小結・安青錦関。母国・ウクライナについては多くを語らなかった
  • 記者会見場には多くの記者が集まった

「自分は力士なので、相撲の話をしましょう」

   25年の秋場所では横綱・豊昇龍を破るなど4場所連続で11勝を挙げ、技能賞を受賞。新入幕から4場所連続で三賞を獲得。今後の展望について

「力士になった時から、関取に上がる自信はすごくあった。そんなに早くここまで来られるとは思っていなかったので、自分でもびっくりしている。力士になったから(には)横綱を目指してやっていきたい」

   などと話した。

   記者会見で配布されたプロフィールには、

「ドネツク国立大学にも合格していたが、2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まったため、戦火を逃れて相撲を続けられる環境を求め、同年4月に来日。3月生まれである為、2月に18歳以上が徴兵された際、奇しくも兵役を免れた」

   とある。

   母国についての質問も相次いだが、多くを語らなかった。家族について聞かれると、「家族は今、ドイツにいるので大丈夫」。侵略が始まったときの気持ちや、従軍する考えの有無については、

「国は大変なことになっているが、自分は力士なので、相撲の話をしましょう」

   と応じた。「ウクライナ出身者の中では有名人だ」として、ウクライナにいる人々へのメッセージを求められると、

「自分の相撲を見て、1人でも元気になってくれたら嬉しいです」

   とエールを送った。

帰郷実現したら「普通に自分の町で散歩したいですね」

   最後にウクライナに行った時期と、次にウクライナに行く予定に関する質問には、望郷の念をにじませた。

「日本に来てから一度もウクライナに帰っていないので、もちろん帰りたい気持ちもあるし、子どものときから、生まれてからずっと育ってきたので、知り合いも友達もいっぱいいる。できれば友達と会いたいし、子どものとき行ったご飯屋さんだったり......。普通に自分の町で散歩したいですね」

   ウクライナ出身の力士としては、他にも東前頭18枚目の獅司大(しし・まさる)関(28)がいるが、「勝負の世界なので、仲良くなっても土俵の上で戦わないといけないので、今はあまり話もしていない」。「辞めてから仲良くなろうかなあと思っています」とした。

   日本国籍取得の可能性に関する質問も出た。引退後に年寄名跡(親方株)を襲名するには日本国籍が必要だ。安青錦関は、この点を念頭に

「相撲が好きなので、できれば指導もしたいし......。親方になれるんだったら国籍を変えないといけないので......」

   と応じ、国籍取得に意欲を示した。

   (J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)

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