大リーグのロサンゼルス・ドジャースに所属する韓国出身キム・ヘソン内野手(26)が2025年10月10日(日本時間)、ポストシーズンデビューを飾り、地元韓国メディアが沸いた。地区シリーズ第4戦、投手の失策で幕切れドジャースは10日、本拠地ドジャー・スタジアムでナ・リーグ東地区1位フィラデルフィア・フィリーズと地区シリーズ第4戦を行い、延長11回サヨナラ勝ちした。これで地区シリーズ3勝1敗とし、ナ・リーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。1-1で迎えた延長11回、キムが初めてポストシーズンのグラウンドに立った。レフト前ヒットで出塁した5番トミー・エドマン外野手(30)の代走に起用された。6番ウィル・スミス捕手(30)がセンターライナーに倒れ2死1塁となり、ここからヒットと四球で2死満塁となった。このチャンスにアンディ・パヘス外野手(24)は投手ゴロ。ところが、オライオン・カーカリング投手(24)がグラブで弾いた。慌てて素手で拾い直してホームに送球するも、球は大きく逸れ、捕手が捕球できなかった。この間に3塁走者のキムがホームイン。ポストシーズン初出場で、サヨナラのホームを踏んだ。大リーグ公式サイト「mlb.com」によると、ポストシーズンで、サヨナラエラーで試合が終了したのは、大リーグ史上2度目だという。キムの劇的なポストシーズンデビューを、複数の韓国メディアが速報した。「スターニュース」(ウェブ版)は、「『命がけで走った→優勝が嬉しい』代走で『ポストシーズン初出場』キム・ヘソンの生の感想」とのタイトルで記事を展開した。「代走の私にできることは全力で走るだけだった」記事によると、キムは試合後、現地メディアの取材に対応し、「命がけで必死に走った。優勝できてうれしい」と笑顔を見せ、こう続けたという。「代走の私にできることは全力で走るだけだった。(打者のバットに)ボールが当たった瞬間、スライディングよりも早くホームに向かうことだけを考えていた。試合に出場する機会は多くないが、ロースターに入った以上、どんな役割でも、チームの勝利に貢献できればいい」「SPOTVNEWS」(ウェブ版)は「『大リーグ史上2度目』の大記録、キム・ヘソンの存在のおかげだった」とのタイトルで速報した。同メディアは、11回2死1塁の場面を振り返り、キムの「好走塁」に言及した。マックス・マンシー内野手(35)がセンター前にヒットを放ち、1塁走者のキムは快足を飛ばし3塁に到達した。この後、キケ・ヘルナンデス内野手(34)が四球で歩かされ、2死満塁となった。記事では「キム・ヘソンの集中力が光った。打球速度がやや遅い点を把握し、2塁で止まらず3塁まで駆け抜けた。暴投ひとつで試合を決める状況を作り出したのはキム・ヘソンだった」とキムの走塁を称賛した。キムは7月下旬に左肩を痛め故障者リストに入った。9月に復帰するも、出場機会が激減。ポストシーズンのロースター(出場選手登録枠)入りが危ぶまれたが、滑り込みで枠を勝ち取った。チームはワイルドカードシリーズで、シンシナティ・レッズに2連勝し、地区シリーズ2勝1敗でこの日を迎えたが、キムはここまでポストシーズンの出番はなかった。
記事に戻る