セルフレジで商品スキャン→会計せず逃げる? ネット投稿が話題に...新手の万引き?対策は?専門家に見立てを聞いた

   スーパーのセルフレジで、食品などをスキャンしたまま放置する客がいて、その料金まで支払わされそうになった――。こんな体験がXへの投稿で紹介され、新手の万引きなのかと話題になっている。

   セルフレジを巡る万引きについては、テレビニュースなどで、3、4つの手口が報じられている。

  • スキャンした後に放置(写真はイメージ)
    スキャンした後に放置(写真はイメージ)
  • 会計していなかった(写真はイメージ)
    会計していなかった(写真はイメージ)
  • スキャンした後に放置(写真はイメージ)
  • 会計していなかった(写真はイメージ)

前の客が、数千円分スキャンしたまま会計せずに放置

   それによると、商品のバーコードを指で隠すなどしてスキャンしたように見せかける手口がある。

   また、飲料セットのうち、1本のバーコードだけをスキャンして安く済ませたり、高価な商品の上に安い商品を重ねて安い方だけをスキャンしたりする手口も指摘されている。

   さらに、カートの下段にコメなど価格の高い商品を乗せ、上段だけスキャンするといった手口も見られるという。

   2025年10月12日ごろに、X上で取り上げられたのは、あまり報じられていない手口だ。

   その投稿によると、食品スーパーへ行き、セルフレジで商品をスキャンしようとした。すると、前の客が、数千円分スキャンしたまま会計せずに放置していた。投稿者は、その分を合算して会計しそうになったといい、店員を呼んで危うく難を逃れたという。

   この手口について、投稿者は、他の客をだまして支払わせる詐欺行為ではないかとして、注意を呼びかけている。店が直接の被害者ではないが、詐欺的な万引きの手口ということのようだ。

   投稿は、大きな反響を呼んで、まとめサイト「togetter」でも14日に紹介された。

   スキャンして放置する行為については、犯罪の可能性があるとして、同様な体験談もリプライで寄せられた。その一方、セルフレジが使えず有人レジに移動したまま忘れられた、高齢者が会計が必要なのに気づかずに行ってしまったなどと、悪意だけではなく、「うっかり」のパターンもあるのではとの見方も出ていた。

「スキャン放置に故意はありうるが、ミスとの判別難しい」

   話題になった行為は、新手の万引きとしても、各地で発生しているのだろうか。

   この点について、NPO法人「全国万引犯罪防止機構」の担当者は10月15日、J-CASTニュースの取材に対し、こう話した。

「万引きの手口としては、あまり聞いたことがありませんが、スキャン放置については、故意に行った可能性はあると思います。一方で、高齢者の方が煩わしいとスキャンを途中で止めたことなども考えられるでしょう。故意なのかミスなのか、判然としないところがありますね」

   とはいえ、故意であれミスであれ、次の客が被害に遭うなど迷惑がかかってしまうことは事実だ。

「こうしたことを防ぐには、まず店員がセルフレジの客に声かけをしたりすることですね。犯罪を抑止するため、死角がないようにレジを配置することも大切だと思います。レジに防犯カメラを設置するのも有効で、最近は、高性能レジとして、AIの機能があるタイプがあります。食品などの形状をAIで読み込んで、同じものか判別するわけです」

   ただ、ハード面の整備は、コストがかかり、店の負担にはなってしまう。

「以前は、重量センサーを設置する店も多かったですが、その大きさがレジのスペースを取ることもあって、今では、設置する店が減っていますね。経費節減は、企業判断になりますが、そのために不正が増えたとすれば、本末転倒になってしまいます。コストを抑えながらも、店側で防犯の工夫を凝らして、不正などをされない対策を取るしかないと思います」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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