生前の予約投稿で「グエー死んだンゴ」 ネット民哀悼「成仏してクレメンス」、医療機関に「お香典」続々...有名医師も

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   とあるXユーザーによるネットスラングの投稿をきっかけに、インターネット上で寄付の輪が広がっている。

  • 「なかやま」さんのポスト。生前に予約投稿していたとみられる
    「なかやま」さんのポスト。生前に予約投稿していたとみられる
  • 知念実希人氏のポスト。国立がん研究センターに寄付したことを明らかにしている
    知念実希人氏のポスト。国立がん研究センターに寄付したことを明らかにしている
  • 「なかやま」さんのポスト。生前に予約投稿していたとみられる
  • 知念実希人氏のポスト。国立がん研究センターに寄付したことを明らかにしている

「癌の種類が年に20例ほどしか観測されてないようなレアなもの」

   発端となったのは、Xユーザー「なかやま」さんが2025年10月14日に投稿した「グエー死んだンゴ」との一文だった。

   「グエー死んだンゴ」とは、10年代にインターネット掲示板「なんJ(なんでも実況J)」で生まれたとされるネットスラングだ。死の間際の断末魔をコミカルに表現したもので、主に「お前が死ぬんやで」などとする暴言レスに対し、煽ったり茶化したりする返信として使われる。

   なかやまさんは、Xのプロフィール欄に「かわいい女の子が好きです。あと癌です」と記し、自身ががん患者であることを公表。過去の投稿では北海道大学に通っていることを明かしており、闘病に際しての思いなどをXに投稿してきた。

   noteに公開されている闘病記では、23年10月にがんの診断をされたとし、「癌の種類が年に20例ほどしか観測されてないようなレアなもの」とも明かしている。

「多分そろそろ死ぬ」→「グエー死んだンゴ」

   なかやまさんは10月10日の投稿で「多分そろそろ死ぬ」と記して以降、更新が途絶えていた。3日後の13日に「なかやまの友人です」とする投稿で、訃報が伝えられた。

「以前よりこのアカウントを預かっておりましたので、代理でご報告いたします。10月12日の夜、なかやまは静かに息を引き取りました」

   なかやまさんは生前、フォロワーから寄せられた「出来れば北海道のお悔やみ欄に名前載せてわかるようにして欲しい ツイート途絶えたとき確認するから」とのリクエストを受け、本名を明かした上で調べるように返信していた。

   実際に、X上に投稿されたお悔やみ欄のスクリーンショットには、なかやまさんが明かしていた本名と一致する訃報が掲載されていた。訃報によると、なかやまさんは22歳だった。

   つまり、訃報の翌日に投稿された「グエー死んだンゴ」との投稿は、なかやまさん本人が生前に予約投稿していたポストとみられる。

「お香典包んだンゴ~ 成仏してクレメンス」

   「背中の筋肉と肋骨が無くなった」とするほどの大掛かりな手術や度重なる抗がん剤治療を経ても、ユーモアを交えた飄々とした語り口でがんと向き合い、発信を続けてきたなかやまさん。渾身の「ネタツイ」に、SNSでは感服の声が上がった。

   投稿には、なんJでもおなじみのやりとりとして「成仏してクレメンス! 名前も顔も知らない、一般模範ツイッタラーに最大限の敬意を」「『成仏してクレメンス』をここまで敬意を持って言える事そうそう無いよ」などとするリプライが相次いだ。

   投稿だけにとどまらず、なかやまさんの投稿をきっかけに「お香典」を医療機関に寄付する動きも拡大している。

   「このニキに敬意を表してお香典包んだンゴ~ 成仏してクレメンス」と投稿したXユーザーは、寄付の理由を「Twitterで見かけた故人のため」とつづっていた。

   小説家で医師の知念実希人氏は、「このような善意によるキャンペーンには全力で乗りつつ、拡散していくのが正しいSNSの使い方だと思っているので、私も国立がん研究センター基金に寄付させて頂きました 若い方が亡くなるのは本当に哀しいです」として国立がん研究センター基金への寄付を報告した。

   精神科医の香山リカ氏も、「ネトウヨVAN祭り以来久々に流れに乗ってみたンゴ。本名での寄付でゴメンやで。サンキュー中山ニキフォーエバー中山ニキ」と「なんJ語」で寄付を報告している。

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